第34話 夏祭り
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【変更点】高校行事のレクリエーション、月1→不定期。
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見慣れた風景だけど、ここで夕暮れを見るのは初めてで新鮮だ。
山へと沈む太陽を背景に見た夕焼けした校舎が印象的だった。
てなわけで!
今日は桜庭高校で行われる行事、婚約者&既婚者のみの参加ができる夏祭りにやってきた!
非常に残念ではあるのだが、通常に行われている花火大会や夏祭りに男が参戦するのは危険なので…。
大体の学校で行われているものだ。男というだけで夏祭りに参加できないのは可哀想じゃない?となって、どうせなら女性の憧れにもなるようにしてみないかとこういった形になったらしい。
ちなみに、先にも述べた通り婚約者か既婚者しか入れないので朱莉の出番は…。お留守番だ。非常に拗ねてらっしゃった。ごめん…。こんど埋め合わせするから!
そんなことを考えながらポンプを使ってヨーヨーに空気を入れていく。
なぜヨーヨーって?ああ、これね!通販サイトでも安く手に入るんだぜ!
「達也ここに置いておくね~。あとは空気入れるだけね。」
「おっけ!まかせろ!」
沙耶が水の入った風船を置きながら声を掛けてきたので答える。
そんなふうに沙耶と美麗も一緒に分担しながらヨーヨーをどんどん作っていく。
最初は大人しくしててと言われたけど手伝っても止められなかったので大丈夫だろう。
二人とも若干不満顔だったけど、これくらいはやらせてほしい。沙耶はジト目だったけど美麗は頬を膨らませていた。天然?なんにせよあざとかった。
さて、なぜこんな作業をしているのかというと出店問題だ。
みんながみんな来てデートを楽しむだけでは、出店する人がいないからな…。
外部から人を呼ぶわけにもいかないため、持ち回りで出店しなきゃいけないので今回は俺らが担当することになった。
一年生で学校側から声が掛けられることは珍しいらしいが、理由としては婚約者の数だ。それに一回やれば在学中にもう一度やらなくて済むし快く引き受けたって感じだね。
ちらほらと近くの屋台も開き始めたので、俺達も屋台を開始する。
屋台の準備は学校側がしてくれていたので、美麗の作ってくれた【ヨーヨー 一回50円】のプレートを掲げるだけでサクッと完了!
ヨーヨーもある程度用意しているので大丈夫だろう。自分で選んでおいてなんだけど、高校生にもなってヨーヨーしてくれる人いるのか…?
失敗しても一個あげる感じでいいか。余りそうで不安だ。
そんなふうに思っていると男一人に女二人のグループがやってきた。
「やっほ、達也。あそびにきたよ」
「えっ、だれ?」
なんだこいつ馴れ馴れしい。こんな茶髪知らんぞ!
驚いた顔を見せる男に怪訝な表情を向けてから、後ろにいる沙耶と美麗は知っているのかと顔を向けると、沙耶は頭に手を当てやれやれとでも言いたげに首を振っている。美麗に関してはこいつまじかと俺を見つめている。
え、おれ悪いの?
そんなこちら側の態度を見かねたのか茶髪の連れが口を開く。
「はじめまして達也さん、こちらにいる谷一樹の婚約者の葵と申します。よろしくおねがいします。」
葵さんの隣には、よく見れば桜さんが居た。相変わらずいいものをお持ちで…。じゃねえ!
「一樹!?まじかよ!!」
「焼けたからわかんなかったか…久しぶりだもんね!」
「いや、髪だわ!染めてるし前髪も上げてるじゃねえか!!」
「どうかな?二人に勧められてちょっとイメチェンしたんだ。」
「ちょっとじゃねえ…。まじでわかんなかったわ。いいと思うぞ、似合ってる。」
「ありがと!それじゃ早速ヨーヨーやろうかな!」
そうして桜さんがお代を払ってくれて一樹たちはヨーヨー釣りを楽しんでいった。
男同士は雑談を楽しみ、女性陣は改まった挨拶後にコソコソなんかしてたな。情報交換かな?癖の暴露はやめてね?
その後は、屋台をしばらくやりつつ他の出店にも顔を出したりと楽しんだ。ちなみに店を開ける際は、ちっちゃい木箱にお金入れてねスタイルで無人で稼働させていた。盗る物ないし盗る人いないだろうからな。
回ってみて気付いたが思ったより出店数も多く、例えばりんご飴が無かったなあとかそういった事態にもならなかった。
それでもさすがに花火は上がらなかった。どこかの龍宮なんたらさんじゃあるまいし、ぶっ放さなかったな。学校側としては予算の関係というか来れてない人もいる行事に割くのもなって感じなのかな。
その代わりといっちゃあなんだけど、キャンプファイヤーを囲んでの盆踊りはあったので、沙耶と美麗と一緒に踊ったりして楽しんだ。大満足!
一通り楽しんだので、屋台に戻り片づけを開始していると担任の朝倉先生がやってきた。巡回なのか…?両手いっぱいに色々持っている。お面を斜めに付けてるし…。綿アメに焼きそば、かき氷にりんご飴。こ、こいつ…。
「こんばんわ~」
「こんばんわ…見回りですか?」
「よくわかりましたね~。みんなには遊びにきてるなんて言われましたよ~」
「俺もそう思ってますよ」
「またまた~」
こいつ無敵か?
「あ、そういえば先生。課題って朱莉のとこでもいいんですかね?」
「ん~…。今後義務になることなので他のことでお願いします~」
「え、まじ?」
「まじです~」
「だめ?」
「だめです~」
「駄目かー。また考えておきます。」
「はい~。それじゃヨーヨー1回おねがいします~」
ああ、やっぱりやっていくのね。
片付け最中なんだけど、目キラッキラしてんな。
朱莉にも世話になってるし、こんな目をしてる人を断れないな。やっていきなさい。
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