第13話 卒業式、君が代、教師の葛藤――静かに心を揺さぶる一作

★★★ Excellent!!!【ユキナ★4】


📖 『君が代変想曲』 ネタバレなしレビュー(中辛)📖


卒業式という学校にとって特別な瞬間。そこに流れるはずの「君が代」が、思わぬ波紋を呼ぶ――。

『君が代変想曲』は、音楽教師・内藤律の視点を通して、式典の「決められた空気」と、個人の「音楽への想い」が交錯する、静かながらも強烈なドラマを描いている。


本作の魅力は、淡々とした日常描写の中にある緊張感。学校という組織の中で、教師たちが抱えるジレンマや、規則のもとに縛られながらも、どこか心の奥底で揺れる感情が、抑えた筆致でありながらリアルに伝わってくる。

音楽は個人の表現であるはずなのに、卒業式という場では「厳粛であること」が求められる――そんな矛盾に向き合う主人公の姿に、読み手もまた、自分ならどうするかを考えさせられるやろう。


さらに、描写の巧みさも光るポイント。楽譜に従って進む「君が代」の旋律、それに呼応するかのように展開する物語。音楽的なリズムを意識した文章構成が、読者の耳にも自然と響くように計算されている。この「音楽を感じさせる文体」が、作品全体に独特のテンポを与えていて、ただの教師の葛藤の話にとどまらない奥行きを持たせているんや。


ただ、結末に至る律の心理描写がもう少し明確なら、読後のインパクトがより強まったかもしれん。彼が最終的にどんな想いを抱いたのか、読者に委ねるスタイルではあるものの、もう一歩踏み込んでくれたら、さらに響く作品になったと思う。


とはいえ、音楽と思想、規則と個の感情、それらが繊細に絡み合うこの物語は、どこか余韻を残す一作。

卒業式という誰もが一度は経験した場面を通じて、社会のルールと自分の内なる声の狭間で揺れる感情を、ぜひ味わってみてほしい。


ユキナ(中辛)💞


2025年2月14日 23:37

『君が代変想曲』のおすすめレビュー

https://kakuyomu.jp/works/16818093089068592440/reviews/16818093094102567390




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