百合花さんと双子(ストーカー)が会話をしているだけの話

音央とお

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「ねぇ、見て。西園寺くん達と白峰さんがお茶してる。まるでドラマの撮影みたいで美しすぎない?」


大学近くのカフェテラスではやはり知り合いが多く目立つのか、ヒソヒソとこちらを見ながら話す声が聞こえてくる。遠巻きにされても地獄耳だから全部丸聞こえですわよ!


今日は機嫌が悪いのでイライラしてしまう。盛大な溜息を吐くと、向かいに座っていた西園寺兄弟が青ざめ慌てふためく。


「百合花さんどうしたの?」

「珍しくお茶に誘って頂けたのに、僕たち何か粗相をしましたか?」

「もう少しだけ一緒にいたい」

「チャンスをください」

「「お願いします」」


ファッション雑誌のモデルのように美しい容姿の同じ顔が必死になって頭を下げる。それを呆れたような目で見て、ハンドバッグから複数の小物をバラバラと取り出す。

ボールペンやUSBケーブルがテーブルの上に散らばる。


「サークルの室内で見つけました」

「……これは?」

「とぼけないで、あなた方が仕掛けたのでしょう?」


身の回りに盗聴器を仕掛けるような人物はこの双子くらいしかいない。

しかし、二人は神妙な顔をして「覚えがありません」と呟いた。あら?


「百合花さんが許してくれた場所にしか僕達は設置しませんよ」

「信じてくれ」


この様子には嘘がなさそうだと感じる。本人を目の前にして嘘がつけるほど器用な二人ではない。ということは…


「……もしかして、サークルの備品が無くなっているのもあなた方では無いのかしら?」

「覚えがありませんね。百合花さんに許可して貰ったものしか持ち帰りませんし、不特定多数が触れたそんなものは欲しいとも思いません。……そのストローを貰って帰ってもいいですか?」

「あらまぁ、それは困りましたわ。あなた方以外にストーカーがいるってことかしら? 」


眉間にしわを寄せる表情まで全く一緒なので、女の趣味から何もかもよく似た二人だわと思う。


「それは面白くねぇな」

「許しがたい行為ですね」


自分達の行為など棚に上げて怒り心頭の様子である。どうせ犯人は分かっていることだし、注意してやめて貰うだけだと考えていた。

……まあ、お願いの内容を変えるだけである。

こほんっと咳払いしてから小首を傾げて見せた。


「でしたら、犯人を捜してくれないかしら。報告次第ではディナーに付き合いますわ」


頼みごとを断るはずもなく、ご褒美まで与える約束をすれば「「お任せください」」と二人が目を輝かせるのは当たり前の話だった。








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