2月5日 死にかけた話

急ですが、私はお風呂でスピーカーから好きな曲を流し、熱唱するのがとっても大好きなんです。


お風呂の中ですから、いい感じに空気が加湿されている上に、体温も上がっていることで喉がすごく開くんですよ。


しかし残念な事に私が住んでいるのは、縦と横に多くの人間を抱えるコンクリートの山です。

せっかく喉の開いた私の歌声は騒音として人に迷惑をかけてしまうでしょう。


そこで思いついたんです。

大きく息を吸って湯船の中に口を入れ、吐く息だけで歌えば、音の振動が水に吸収されて自由に歌えるのではないかと。

そんなことが出来るのかと疑問に思う人もいるかと思いますが、

理論上は可能なはずです。


音は息を吐く時に声帯が振動することで口から出るものであって、吸うタイミングで音は出ていません。そのため、水の中で全力で歌いきることも可能なはずです。

何より、プールの中でゴボゴボと会話をした遠い記憶が私に確信を与えていました。

更に、私は幼稚園のころから水泳を習っていましたから、息継ぎは大の得意です。


もちろん、私も本能に馬鹿なことはやめろと本気で止められているような感覚があり、非常に怖かったのですが、できると思ったからにはやるしかありません。


スピーカーからはサンボマスターの「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」のイントロが流れだします。

今だっ!

潜った私がどうなったかは書くまでもないですが、本当に死ぬかと思いました。

なんせ水中から出ても、空気が全く入ってこなくなるんですから。

喉が、もう私を信用出来ないとでもいうかのように、何もかも体内に入れることを拒んだのです。

あんな経験は本当に初めてでした。

みなさんは危険なのでやらないで下さいね。


しかし、こんな経験でも、何も無いよりは学びがあったなと共有したくなったのです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る