第39話 11月11日・立冬
寒冷前線が南下しているのだろうか。ここ数日朝の冷え込みがこたえる。先月末に腰を痛め家にいることが多くなった。炬燵の電源は点けたり切ったり。冷えると腰にくるが点けっぱなしだと熱い。難儀なことだ。
さて懐も寒くなりがちな今日この頃だが、インフレ税って言葉を知ってるだろうか。俺は2〜3ヶ月くらい前(米関税交渉が終わって石破辞めろのころ)ヤフートッピクスで見たと思う。
インフレとはカネの価値が下がることだ。相対的にモノの価値が上がるから、ただカネを持ってるとどんどん目減りしていく。宵越しのカネを持ってると損するのだ。要するにカネを遊ばせてないで湯水のごとく使えってことだ。一方借金する立場でいえば実質的な返済負担が小さくなる。当然金利も低い。手元不如意でも大きな買い物がしやすい。
卑小な例で申し訳ないが、俺がスーパーで買い物するとき予算は1000円である。そして今1000円で買い物出来る品数がどんどん減っていってる。そりゃ物価高なんだから当たり前っていうかもしれないけど、モノが値上がりした分1000円の価値が下がっているってことだ。そんでその価値の差額が、お上の懐に入っていく。
毎年1000円の価値がどんどん下がっている。仮にインフレ率3%が3年続いたとすると、
(1+0.03)x(1+0.03)x(1+0.03)=1.092727。1000をこの値で割ると915.142
額面は同じ1000円でも3年後は今の915円の価値しかないのだ。
俺が紙に1000円って書いても1円の価値もないけど、お上がやれば紙幣。国債ってお上が国民に借金したっていう証書。1000円を3年後返すって約束(単純化のためゼロ金利とする)だったら実質915円返すのと同じだから、借金した方が85円儲かるって寸法。
つまり俺ら国民が実質85円損してるのと同じ。これを見えない税金すなわちインフレ税という
高市総理の所信表明演説で「政府債務残高の対GDP比を引き下げていくことで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保していく」っていってたけど、これって財政規律に関していえばなにもやらないっていってるようなもんだろ?
だって名目GDPは、インフレ物価高になればその分嵩上げするんだから、政府債務残高は自然とGDP比で下がっていくよね。さらに黒字化は単年度じゃなくて複数年度にまたがるようにする方針っていいだした。なにもしなくても翌年税収増になるし、仮に赤字になっても次年度黒字なるから無問題とかいいだすかもしれない。
それと、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保って、債権価格が高い⇒長期金利が低いってことだろうし。そうなると円安が続くから結局インフレ物価高終わんないような気がするけど、俺の勘繰り過ぎかな?
サナエニクスはまだ何も始まっていない。ただ高市総理への期待は非常に高い。内閣支持率もそうだが日経平均株価は短期間で上昇した。ネットで全世界株インデックスから日経平均に切り替えたという人がいて驚いた。
社畜時代俺は401Kで国内株インデックスファンドを買っていた。TOPIXではなく日経平均に連動していたと記憶している。悪夢の民主党政権のときが恐らく底値だったと思うけど、リーマンショックで世界中の株式相場も低迷していた。(積極的に財政出動して需要創出していたのは中国ぐらいだったような)
当時のことを考えると今の相場は隔世の感としかいいようがない。
現在、海外投資家の日本株の保有率は30%を超え、現物の売り買いは60%、先物は70%を占めるそうだ。そして海外投資家は5週連続で買い越している。つまり今の株高は外国人投資家によって支えられている。
日本国民が高市政権に期待しているからではなく、まったく別の思惑で市場の価格形成が行われているのだ。彼らは日本社会がどうなろうと知ったことではない。儲からないと判断したらとっとと手仕舞いする。
巷では日経平均株価が10万円超えるなんて話もある。まだ5万円ぐらいだし2倍になるのでは?という甘い判断で買うのはお勧めしない。俺自身は毎月細々と買い続けてるし、予想屋じゃないのでこの先株価がどうなるかなんて分からないんだけど。
でも赤信号みんなで渡れば怖くない、の精神で投資したら高値づかみして、海外投資家に売り抜かれてしまったでは目も当てられないでしょ。
先日、「みんなで大家さん」という不動産投資ファンドの配当金停止ニュースを見た。何年か前にテレビで宣伝していたから正直驚いた。不動産投資は個人でやるには金額大きく危険という意味のリスクも大きい。投資家から少しずつお金を集めて儲かったら還元するというのは悪くないと思っていた。
実は俺も別会社だが似たような投資をやっている。駅前の雑居ビルとかマンション開発など比較的少額で短期間で売買が終わるような案件だ。アマゾンポイントがもらえるキャンペーンに惹かれて1ヶ月悩んだあげく始めた。
現在毎月コンスタントにもらえる配当金は200円。しかもそこから国税と地方税がとられるから160円にしかならない。そりゃ入金額が低いから仕様がないし、定期預金より利率高いけどさ元金の保証無いんだぜ。会社の謳い文句では元本割れした実績がありませんだって。
(みんなで大家さんはどうだったのだろう?7年近く続いたってことは、今問題になっている成田空港周辺地事業以外は黒字だったのだろうか?)
始めてから1年半だが新規事業には投資せず、終了した案件はとっとと現金化した。いわゆるキャピタルゲインというやつは合計数万円だった。確定申告すれば1万円ぐらい戻ってくるかもしれない。
俺は吝嗇で小心者だから投資なんて向かないのだが、物価高が続くこのご時世で生きていくには仕方ないのだ。「だったら働けよニート」といわれたら返す言葉はない。
でも社会の隅っこで、自分で稼いだカネを使う自由ぐらいあってもいいと思うんだ。
カネ無いから預金封鎖するわなんて世の中にならないよう、お上は無駄遣いしないでくれ。
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