第23話 気炎万丈



 たらたったたったた、たらたったたったた♪



【たろすけ3分クッキング】のお時間です。


 こんにちは、今日はスライムがたっぷり入った叩き込みうどんです。

 まずはスライムをご覧ください。


 スライムはね、とりあえず後で触れますので、届かないくらいの距離に離れておいてください。まずは見るだけにしておきましょう。


 今日お料理するスライムは、こんなにたっぷりしています。赤いですねぇ~。



 さて。準備するお米の袋は20キロの厚手のヤツにしてください。中は見えませんが破れないのでイイです。あ、もし無ければ布の袋でもいいです。


 では、袋の準備ができたらスライムをにらんでください。必ず馬鹿みたいに飛び掛かってきますので、そしたらひょい、と躱します。



「そうらきたぁ!!」


 暴れますし、臭いですので、袋に入ったらすぐに抑えて、くちひもをぎゅっと縛ってあげます。今日の食材もいきがいいですね~。


「おりゃぁあああ!! そのまま! そのままッ!! おけーーーーい!!!」


 はい。このように袋に入ったら準備は完了です。あとはご家庭にあるめん棒や、餅つきの杵で上から元気に叩きます。ツルハシは駄目です。強すぎて穴が開いちゃいますので。

 今日は野球のバットを使用します。


 はい、おもちの要領で、ペッタン!


「よいしょー! どっこいしょー!」


 こんな風にどんどん叩いてあげてください。気をつけることは、袋を破かない事です。中でモゾモゾ動きますので、よく狙ってペッタンしてください。


「はー、どっこいしょー! の、どっこいしょー! はーーーーー、どっこいしょー!!!」


 さぁ少ししんなりしてきたので、次の作業です。あ、くれぐれも中を覗こうとはしないでください。臭いですし、ひっつかれます。



「ふぅう」


 あとは踏みます。もうどんどん踏みまーす。


「いっちに、いっちに」


 バット叩きが少ないかと思うけど、スライムって実はほとんどサッカーなんですね。


 だから足を使うと、くにゃくにゃくにゃって凹んできます。こんなふうに気合を入れながら、ぺったんこになるまで続けてください。


「いっちに、いっちに」


 これをしないと部屋中がぐちゃぐちゃになっちゃうんですね。だから、一生懸命形が潰れるまでひたすら踏みます。


「よおし!」


 そして柔らかくなったら裏返して、同じように踏みます。

 このようにモゾリとしていたら、まだまだ。


「よいしょ、よいしょ」


 モゾモゾを目安に頑張って下さい。しばらくすれば、無くなるはずです。


「ふぅ」


 くったりのトロトロになるまで根気よく続けます。


 それがこちらになります。

 こんな風にモゾモゾが無くなったら足踏みを止めます。


 そしたら最後の仕上げです。


「この間はよくもやってくれたな。へんっ! 馬鹿たれへのレクイエムだ」



 袋の上から手を使って、何か硬いものがないかを探って下さい。


「お、あった」


 見つけたら、さっき使っていた叩き棒で上からガツンとかましてください。


「おりゃああああ!!」


 すると、あ~ら不思議。袋はペタンと閉じまして、中に居たはずのスライムは、サラサラになって消えています。



「っしゃああああああ!!!! やったぞおおおお!!!」



 それでは皆さんも、たっぷりと楽しんでみてください。


 パーティ、そして日頃の運動不足解消にいかかがでしょうか? スライムの叩き込みうどんです。


 おしまい。



「完勝じゃい!! 文句あるか!!」


 うどんの作り方の動画見てて閃いたスライム対策。ソイツが完璧にはまったぜぇ!



「はぁ、はぁ、はぁ」



 一昨日は苦戦したスライム。だが俺は、ここに来るまでにスーパー怖い悪魔も捕まえたし、最強ツルハシもゲットした。3分はだいぶ過ぎたが、それでもこの通り俺はやり切ったぜ。


「俺は、背負ってるんだ……」



 どうだ神! 見てたかこの野郎! 門番はこの通り粉々じゃい!!


 スライムの失せた部屋。もう俺を阻むモノは何もいない。



「こいつが、最後の扉……か」


 今行くぜぇ、そっちの部屋になぁ。 



 今日の俺はかなり冴えてる。右手のこのツルハシさえ使う間もなく、生じたスライムは完全に消失。これは相当ポイントが高いはずだ……。


 もう『高木君には早いと思います』なんて言わせない。



 ありがとよ、スライム……。お前が俺を強くした。


 憎しみ、苦しみ、臭み、酸っぱみ。お前とは確かに色々あった。だが、今となってはその全てが俺の体に生きて腸まで届いてるぜ。

 実際食べちゃったし、な……。


 ふふふ。


 心技体、全てにおいて異世界準備よし、だ。



「あー、えー、うん」


 ノドの調子も完璧だ。



「……さて」


 気炎万丈、高木たろすけが行くぜぇ?



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