少女の嘆きは譜へと変わる 【異世界転生して3年目。異世界の高校は波瀾万丈ですね!?】

ぞーすい

第1話

 小鳥……ではなく,浮遊車ベールの走行音がするGOODMORNING。

この都市では,この音で目を覚ます人も少なくはない。


「ん゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛。」


そしてここは,技術都市エレピア『ピア=モロ』の中にある,少し大きな一軒家。

内装はシンプルで,清潔感もあり,寝室の壁にかけてある3丁の銃以外は,一人暮らしの模範と言ってもいいような家だ。

その寝室にて,寝起き特有の低めの声で欠伸をした少女。


彼女の名前は,初音ネオ。

今日からこの都市の高校に通い始める,ピチピチのJKだ。


「うわ,やば。髪の毛ボサボサじゃん。」


少し寝癖で遊んでから,顔を洗う。

肩で切り揃えられた,艶やかな白髪。

中学生にも見えるようなまだ幼さの残る顔だが,瞳には歳以上の光が灯っている。

試しに,洗面所の鏡の前で一回転してみると,少し寝癖のあった髪が揺れる。


「朝は……,トーストと目玉焼きでいっか。」


手際良く,朝食を作り始めるネオ。

合間に,スマホニュースを確認する余裕まである。

高校生にしては幾分大人びているように見えるが,それはあながち間違いではない。


何を隠そう,初音ネオ(旧名:初音はつね静奈せな)は,転生者である。

転生してきたのも,かれこれ3年前の話ではあるが…。

ブラック企業の餌食になった前世の彼女は,15日ぶりの退勤の日に車に轢かれて,そのままこっちの世界まで転生してきた。


「よし,今日もご飯が美味しい。」


ネオは,トーストに自らが厳選(この世界の蜂蜜はほとんど制覇したネオの厳選)した蜂蜜をかけて美味しそうに頬張る。

見てもわかるように甘党だ。

前世ではあまり堪能できなかった甘味を,こっちに来てからというもの,片っ端から制覇していっている。


朝ご飯も早めに食べ終え,もう一度鏡で身だしなみを整えて家を出る。

時刻は7:00。少し予定よりも早いが,多めに時間を見積もっておくことは悪いことではない。

登校中に何が起きるかはわからない。


「おいテメェ。ちょっとツラ貸せや。」


「逃げようとすんじゃねぇぞ?」


「うちらはこの都市でも有名な『報連相デェージン』な?」


そう言ってネオの前に立ち塞がる三人のJK。

服装は特攻服で,前部分を全開に開けて,サラシによって窮屈そうに抑えられた胸(そんなに無い)を出している。

見るからに『the!不良!』といった感じだ。


「はぁ……,あんまり服装乱さない程度にお願いします。今日入学式なんで。」


ネオは自身の愛銃(寝室に置いていたやつの一つ)のARを謎の空間から取り出す。

そのまま,全力で三人組へと突っ込んでいった。


────


どうも,作者のぞーすいです。

新作『詩女(フルで書くのが面倒くさかった)』スタートしました。

今回はその第一話ということで…。

どうだったでしょうか?

面白かったなら,レビュー,☆や♡などの評価をしていただけるとありがたいです。

また,気軽にコメントもしていただけると嬉しい限りです。


それでは,またお会いしましょう。

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