三時のおやつは水蜜桃

 2025年7月5日開催『毎月300字小説企画』第31回お題『3』参加作品。

〝ぼく〟とククルの三時のおやつ。


  *


 桃がたくさん手に入ったので、甘いモノ好きのかわいい使い魔のためにどんなお菓子を作ろうか思案する。

 まずはそのまま食べるとして、ゼリーにソルベ……ケーキも焼こう。


 考えを巡らせていると、こちらへ向かう軽やかな足音が聞こえてきて、ぼくが入り口に目をやると同時に一匹の黒猫が顔を覗かせた。


「ただいまです、ご主人!」

「おかえり、ククル。散歩は楽しかった?」

「にゃう!」


 元気よく返事をしたぼくの使い魔は瞬きひとつの間に黒髪の少女へと変化すると、山と盛られた桃に金色の瞳をきらめかせる。


「今日のおやつは桃ですか!?」

「そうだよ。さあ、手を洗っておいで。さっそく食べよう」

「にゃう!」


 さて、涼しいおやつタイムの始まりだ。


(300字)

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