サラのコスプレその2と……ホラー
◇
「チッ! また失敗か…… まあいい…… おい『✕✕✕』、次の準備は出来ているのか?」
「うん……」
「ふはははっ! 次こそは…… 待ってろよ、城ノ内…… 今度こそお前を破滅させてやる!」
「やれやれ…… こんな所からメス猫達を操っていたのか、でも…… やっと尻尾を掴んだぜ」
「だ、誰だ!? 俺達を見ているのは! って…… 猫?」
「誰かって? 俺はただの飼い猫さ、名乗るほどのもんじゃあない」
「ちぃっ! おい! この猫を始末……」
「おっと、俺一人じゃ分が悪いな、ここは一旦お嬢ちゃんに報告……」
「逃がさない……」
「ウニャッ!? ウッ、ニャアァァ…… し、しまった…… ウニャァン……」
「ふはははっ! 猫め、油断したな? よくやった『✕✕✕』、このままその猫を閉じ込めておけ! しかし俺達の正体がバレてしまう可能性が出てきた…… こうなったら予定よりも早いがこちらから直接仕掛けるしかない! 計画通りに行くぞ」
「うん……『✕✕✕✕✕』」
◇
「ただいまー」
って、父さんと母さんは二人で出かけているからいないんだけどな。
「お邪魔しまーす、ふふっ」
父さんと母さんは我が家では月一回恒例となっている、二人きりでのデートに出かけているから今日は家にいない。
しかも今回は『ちょっぴり遅くなるわ、場合によっては凄く遅くなるかも!』と父さんとイチャイチャチュッチュしながら母さんに言われ、そして今日俺の両親がいないことを知ったサラが、俺の食事などの面倒を見るためにと母さんに連絡して許可を取り、わざわざ来てくれたってわけだ。
っていうか、俺の知らない間に連絡を取り合っていて、何日も前から決まっていたみたいなんだけど…… あの…… 俺、息子なんだけど昨日まで何も知らされてないってどういう事?
「あれ? おかしいな……」
両親がいない場合、いつも俺が『ただいま』と声を出すとニャン太郎が玄関まで来て出迎えてくれるんだけど…… 今日は来ない。
「ニャァン……」
えっ!? ニャン太郎が来ないなぁと思っていたら、知らない猫がひょっこりとリビングの方から歩いてきて俺達を出迎えてくれた…… って、猫ちゃん、どこから入ったの!?
白と黒の小さめな猫で、見た感じ野良猫っぽいが…… コイツ、メスだな。
「あれ? ニャン太郎ちゃんじゃないね…… もしかしてニャン太郎ちゃんの彼女さんとか? ふふふっ」
えぇっ!? 家猫のニャン太郎に彼女!? そもそも猫に彼氏彼女とかいう概念はないだろ。
「ウニャァン……」
おっ、ニャン太郎、いたのか……
まるで『あの…… 知らない子が家にいるんですけど…… 助けて』と言っているような声で鳴いてるけど、ニャン太郎の友達じゃないの? それなら本当にどうやって家に入ったんだろう?
「ニャアッ」
「ウニャッ! ウニャァァン……」
ニャン太郎の存在に気が付いたメス猫がニャン太郎を追っかけている……
「ふふふっ、ニャン太郎ちゃん、モテモテだね」
モテモテなのかは分からないが、しばらく追いかけっこをしていた二匹だが、メス猫に追い付かれたニャン太郎は疲れたのか諦めてゴロンと床に横になり、そんなニャン太郎をメス猫はペロペロと毛繕いしてあげている……
窓も玄関も開いてなかったから、両親のどちらかが家に入れたんだろう…… ニャン太郎が本気で嫌がっていたらケンカになるだろうし、今はそのままにしておくか。
「ふふっ、じゃあ私達も…… カイトくんのお部屋に行く?」
「あ、ああ…… そうだな……」
それよりも俺は…… サラのコスプレがどんな感じになるのか気になって仕方なかった。
…………
…………
「マルカ…… バツカ…… マジカル…… バナナ……」
うっ! サ、サラ…… それ、マジカルステッキやない、バナナや……
「バツミきゃるるんエクストリームスプラーッシュ!!」
バナナシェイク、ドンドコドーン!! うわぁぁぁー!! …………うっ!!
「ふふふっ、欲望の悪魔、まるっとばってん退治完了!!」
ああ…… あぁぁ…… 魔法少女って…… しゅごい……
…………
…………
「ふふふっ…… どうだったかな?」
「凄く似合ってたし可愛かったよ、見せてくれてありがとう」
バツミちゃんコスチューム(ブルーレイ版ノーカットバージョン)を完璧に着こなしていたサラ。
黒いオペラグローブとロングブーツ、スク水みたいな形の鎖帷子、そして大きなリボンで束ねたツインテールと、バツミちゃんを完全再現と言ってもいいくらいの完成度だった。
だけど童顔なバツミちゃんと違い、真印似のキリッとした美人のサラがコスプレすることによって…… 魔法少女というか、どちらかといえば悪の女幹部っぽさが出て…… それはそれで良かった。
そんなサラに捕まった(という設定)の俺は、それはそれは恐ろしい拷問を受け、耐え切れずに自分の大切な個人情報を吐き出してしまった。
特にオペラグローブにアレを付けては卑怯だ…… あんなの絶対裏切りヌルヌルだよ……
「ふふふっ、良かったぁ……」
そしてサラは拷問の後に少し賢い者なった俺を抱き締め、まるで子供をあやすようにヨシヨシとする。
サラによる完璧なアメとムチで俺は抵抗もせずにされるがまま、サラと一緒にベッドで横になっていた。
鎖帷子はひんやりしているのに、むわっと温もりが伝わってくるという不思議な感覚を味わいながら、そんな事を思い出していると……
「あっ…… ふふふっ、もう、カイトくんったらぁ…… 相変わらずというか、本当に元気だね」
本当に若いって凄いよな…… 自分でもビックリだよ。
「仕方ないなぁ…… 欲望の悪魔は魔法少女である私が責任持って退治しないとね? ふふふっ……」
あぁっ! 退治…… されちゃうっ!
…………
…………
「ウニャアン…… ウニャアン……」
「はいはい、ニャン太郎ちゃん、もう少し待っててねー」
「ニャアン……」
「大丈夫だよ、彼女さんにもあげるからねー」
二連続拷問を受けた俺がリビングのソファーでグッタリしていると、お腹ん空かせたニャン太郎が騒ぎ始め、そんな様子を見たサラがニャン太郎と白黒メス猫にエサを与えていた。
既に私服に着替えているが、ソファーで横になっているとスカートの中身が見えて…… あの黄金の輝きは女神様から頂いたという……
「いっぱい食べてねー、ふふふっ」
今の俺は賢いので『ド派手だなぁ』と思いながらぼんやりと見ていると、サラが俺の視線に気が付いたみたいで……
「カイトくん、見ているでしょ?」
ただ何となく見ていただけでやましい気持ちはないんだ、と言い訳したら余計に怪しいかな? と思い、スッと目を逸らした。
すると今まで映っていたはずのテレビが消えている事に気付いた。
あれ? さっきまで音は聞こえていたから映っていたはずなんだけどおかしいな…… リモコンは…… んっ?
何もしていないのにまた映った…… でもこれ…… テレビ番組じゃないよな?
森の中にある定点カメラのような映像で、森の中にある小さなボロボロの山小屋みたいなものだけをただ映し続けている。
「何だか気味が悪いな……」
チャンネルを変えよ…… って、リモコンが反応しない…… 電池切れか?
仕方ない、電池を交換するか…… んっ? 今、映像の中で山小屋の扉が少し動いたような…… あっ、やっぱり扉が少しずつ動いてる!
そして、ゆっくりとだが扉が開いて……
ひぃっ! い、今、扉から手が出ていたような…… や、やっぱり手だ!
まるでホラー映画みたいじゃないか! 俺、ホラーは苦手なんだよ…… 怖いからサラのそばに行こう。
とソファーから立ち上がりテレビに背を向けてサラに近付いて行くと……
「どうしたのー? っ!? カイトくん危ない! 早くこっちに……」
ニャン太郎達を見ていたサラが顔を上げて俺の方を見た瞬間、驚いた顔をして立ち上がった。
正確には俺の後ろ、テレビがある方を見てだが…… えっ? どうしたんだ?
そして俺も恐る恐る振り向いてテレビを見ると……
テレビにはボサボサで長い髪の…… 女性の顔がアップで映し出されていた。
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