キミに届く頃には
藤堂 園
プロローグ 白い部屋
早朝。早起きな蝉たちが一斉に時雨を奏でる季節。まだ薄暗く、質素な白い壁が続く廊下。そこには、壁と同じ白い色をした引き扉が均等に並んでいる。そして、そのうちの一つがゆっくりと開かれた。
「それでは、失礼します。」
扉から出てきたのは、長身で白い髪の男。男は部屋の中にいる人物へと軽い会釈をし、扉をゆっくりと閉める。そうして、先ほどまでの緩慢な動きとは裏腹に、プレゼントを待つ子供のようにソワソワとした様子で足早にその場をあとにする。
「彼が来るまでに、間に合いますかねー。」
白い廊下を進み、一目散にエレベーターホールへ向かった男は、そこで自分を待っていたらしい女に問いかける。女はその言葉に静かに頷き、ただ肯定した。
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