NANAとクロミを愛する海外の姫が26キロでいる理由

ツイッターでフォローしている海外の痩せ姫が、

「クロミのぬいぐるみをもらいました」

と、つぶやいて、写真をいくつか投稿していた。


店でそのぬいぐるみを持ち、自撮りする彼女のTシャツにはハローキティがプリントされ、また、自宅にはサンリオグッズが並んでいる。

そして、そのグッズ群を背景に二冊のマンガ本の表紙を見せているという構図のものも。

二冊とも、矢沢あいの「NANA」(翻訳版?)だ。

日本の「可愛い」「細い」文化が好きなんだなってことが伝わってきた。


ちなみに、彼女の体型はというと、BMIが10。

直近の体重としては26.2キロという数字を公開していて、その他もろもろの公開データから推定される身長は163センチくらいだ。

最高値かどうかは不明ながら、52キロあったときの写真も載せていて、体重もBMIもその半分になっている。


なお「NANA」のヒロイン・大崎ナナの身長体重は、162センチ43キロ(BMIは16.4)。

映画で演じた中島美嘉は身長160センチで、たしか35キロまで落ちたことがあるはずだけど、その海外の痩せ姫は、それもはるかに超える細さだ。


それにしても、半世紀余り昔、ツイッギーが来日して、ミニスカートブームが起きた頃は、日本人が海外からの影響で、ミニスカのために痩せようとした。

今ではむしろ、海外の人が、日本の文化の影響で細さや可愛さを目指すようになったのだなと、感慨深い。


影響といえば「りぼん」の最新号で、村田真優が矢沢あいへのリスペクトを語っている。

ファンアートとして「ご近所物語」のヒロイン・実果子を描き、

「この世でいちばん好きな話です」

と、絶賛。

矢沢との誌上おたより交換では、

「私のこうなりたいという作家像そのもの」

だと明かしていた。


人間は日々、影響を受けたり、与えたりしながら生きている。

なかでも、美意識において、それは顕著かもしれない。

そして、美意識とは、その人の抱える葛藤と深いところで結びついていたりするものだ。


その海外の痩せ姫も、自身が直面している生きづらさの本質に気づいて、こんな意見を述べている。


・・・拒食症は単に「痩せている」というだけの問題ではなく、人生全体を蝕む精神疾患です。

拒食症患者を辱め、回復を強制しようとするのは正しい方法ではないと理解する必要がある。

それは感情的に良いことよりも悪いことを引き起こす可能性がある。・・・


これに賛同を示すコメントがいくつも寄せられていて、そこがせめてもの幸せだといえなくもない。

彼女の葛藤がけっして孤独ではない、という意味で。


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