流れ星で待ってて
銀河24時
第1話 二十六時の流星で待ってて
「イチコチャン イチコチャン オハヨウ オハヨウ」
白うさぎが両耳を垂れて私の顔をのぞきこんで会いに来た……と思ったら、今日もそこで目が覚める。
ベッドの上の時計を見る。五時三十分。
お腹がすいた。ダイニングに降りて、もう朝食を作ろう。
私は
祖母も起きてきて、二人で食卓を囲んでテレビをつけると、ニュースが流れる。
「都内で不思議な眠り病の病が発生して以来、一年が経ちました。
一年前、北斗七星付近に突如として流星群が現れて小さな隕石のかけらが落ちて来て以来、日本の都内の一角にだけ、当時原因不明の眠り病で眠りについてしまった人がおり、現在もその流星群が関係していないかが調査されています」
祖母と顔を見合わせる。
「眠り病のうちの二人が、あなたのお父さんとお母さんね」
祖母の言葉に私は静かにうなずく。
どれくらい経っただろうか。あんなにぐっすり寝たのにまた急に眠くなって、私は自分の部屋に戻って眠りについていた。
今朝方、夢のように現れた白うさぎが、また夢の中に現れる。
「イチコチャン イチコチャン ワタシハ シズク デス。 アナタ二 ナマエヲ ツケテモラッタ シズクデス。イチコチャン ヲ ズット マッテイマス。キットキテ イチコチャン イチコチャン」
私は再びはっと目を覚ます。
また、白いうさぎの夢……いつものように、まだちょっと話し方が慣れていない感じの……でも、今度は違う。うさぎの名前は、シズクと言っていた……私が名付けたって、私を待ってるって言ってた……
気付くと祖母が私を呼んでいて、起きてリビングに行くとたくさんの贈り物が届いていた。
郵便物が一通、小包が六つ。「こんなに?」と祖母と宛名を確かめ合う。
全部私宛に届いている。今日は私の誕生日。偶然とは思えなかった。
差し出し人は? 今度は差し出し人を祖母と確かめ合った。
一通の郵便物から見ると、差し出し人が、
「どういうことかしら? 秋一と春子さんは今、病院で眠っているのに……」
祖母が私の方を見ながら郵便物の封書から手紙を取り出した。
「一湖、『七月二十五日、スターライトホテル、北斗七星、二十六時の流星で待ってて。秋一、春子』って書かれてる」
「おばあちゃん、間違いない、お父さんとお母さんからよ、この字はお母さんの字よ」
祖母と二人で、六つの小包の差し出し人も確認してみる。
差し出し人の全員の名字には、うちの名字みたいに『星』の字が付いていることに気付いた。
「星海、星土、星月、星風、星雨、星林……」
私が差し出し人の名字を読み上げると、祖母が名字を復唱して言った。
「スターライトホテルは秋一が療養に行っていたホテルよ。あのホテルは森林に囲まれていてこの辺では空気がとても新鮮だったの。そして、秋一が言っていたわ。自分と同じように療養に来ているお友だちがいると。全員名字に『星』の字が付くと笑っていたの」
そのお友だちがなぜ全員、私宛に小包を送って来たんだろう。
「中身は皆さん共通してお菓子って書いてあるわ」
スターライトホテル、北斗七星……
私はなぜか気になって、差し出し人の住所を地図に当てはめて○をしていった。
すると、すごいことがわかった。
「この人たちの住所にうちの高円寺の住所を加えると、北斗七星の形になる! おばあちゃん!」
「一湖!」
祖母と二人、うなずき合って言い合う。
「秋一と春子さんが書いている七月二十五日、スターライトホテルに行ってみよう!一湖!」
「うん! おばあちゃん」
「スターライトホテル、私はいつも連れて行ってもらえなかった……」
「あなたは小さいときに、一度このホテルで迷子になったことがあったの……それが名残で、その後このホテルには連れて行かなくなったのよ」
「そんなことがあったの? 私、小さい頃にこのホテルに行ったことがあるの?」
「うん。一湖が大きくなったらまた連れて行って、お友だちも紹介すると、秋一たちが言っていたわ」
祖母がスマートフォンを取り出して、ホテルの検索をしている。
私は父と母の写真を見つめる。
(お父さん、お母さん、何があったの? 力を貸して!)
電話のコールの音。祖母がスターライトホテルにスピーカーにして電話している。スターライトホテルのホテルマンが電話に出る。
「はい、お電話ありがとうございます。スターライトホテルでございます」
「突然なのですが、明日か明後日から数日泊まる予約はとれますでしょうか?」
「少々お待ちください……二十四日からが空いております。どのようなお部屋をご希望でいらっしゃいますか」
「孫と二人で泊まれるお部屋を一つ……」
「禁煙でよろしいですか?」
「はい」
「それではお名前とお電話番号をおっしゃって頂いてよろしいでしょうか」
「はい。私は
「星空様! もしかして星空秋一様、春子様のご家族の?」
「……はい! その節はたいへんお世話になりました」
「とんでもないです。お電話番号をお伺いいたします!」
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