ある男の回想 あるいは闇バイトについて

 集合場所は駅近くの高架下。そこからマイクロバスで移動。この時点で怪しさ満点だが、俺は深く考えなかった。腕っぷしには自身があるし、何より俺には守るべきものがない。無敵状態。無敵の人なのだ。

 で。社内には俺含めて6人くらいの男。皆それぞれ訳ありなのだろう。暗い目と小汚い恰好をしていたな。あと、監視役なのかな。男がいた。スーツを着たすこし頭頂部が寂しい男だ。サングラスをかけて人相はよくわからない。

 車内には重苦しい沈黙が立ち込め、マイクロバスの窓は中からは外からが見えないように加工してある。逆マジックミラー号?状態。

 俺はじっとしているのが苦手なので貧乏ゆすりをする。監視役のおっさんがこちらをガン見していたが、俺は気にしない。

 車に乗せられ着いた先は山奥。研究施設というにはあまりにボロい施設だ。

「あの、ここでなにをするんですか? バイト料がこんなに高いって……なんなんすかね?」

 俺は案内役に聞いてみると、相手はなんだか口ごもる。なにかあるなとは思ってたが、やっぱ怪しさ満点じゃん。

「まあ、ビデオを見てもらうだけだ。さっさと来い」

 ほんとなんだろうな。このバイト。好奇心もあり俺はのこのこと、その施設に入っていった。

 で、見ちゃたんだよな。あのビデオ。

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