二話 最強闘技場〈コロッセオ〉
俺たちは、パステノンに帰ってきていた。
「なぁネオン、この町になんか戦える場所ないの?」
俺は、こういう世界には大体そういう物があると思い込みあって当然のように話す。
「まぁ、あるにはありますけど.......あまりお勧めできませんよ?」
「えっ?なんで?」
「そこは一年前に営業が終了してガラの悪い連中の闇賭博場のようになっているので.......あまり錬斗様が思っている場所ではないと思います.......でも、隣町のハルカスにはちゃんと整備された闘技場が........」
俺を止めるように話すネオンのセリフを遮って話す
「いや、大丈夫だ。俺の昔の職業柄そういう場所には慣れてる。場所を教えてくれ」
「まぁ、ご主人様がそういうなら.........」
そういうと、ネオンは俺を明らかにガラの悪そうな闘技場の前に連れてきてくれた。看板が置いてあるが謎の文字で読めない、異世界文字ってやつか.......?
「なぁ、ネオン。これなんて書いてあるんだ?」
「あぁ.....ご主人様は別世界から来たのでこの国の文字は読めませんよね、あれは
§Φ¶で、コロッセオか........全然想像も出来ないな。こうして俺たちはコロッセオの中に入る。
「おい、お前!女を連れてここに入るとはいい度胸じゃねぇか??」
中に入った瞬間カウンターの男にそういわれる。明らかにガラの悪そうな見た目だ。ピアスの穴は数えきれないくらい空いており、神も金髪で入れ墨もしっかり入っている。よかった、ガラが悪いのイメージはあまり転生前と変わらない.........
「なんだ?ここには女性を連れてきたらいけないっていうルールでもあんのか?」
今自分の出来る最大の威圧を相手に見せる........もし俺より強いスキルを持ってたらどうしよう..........
「はっはっはっ!!そのお前の態度.....嫌いじゃねぇぜ?いいよ!
なぜか俺の挑発がいい方向に作用したようだ......
「だが、1つ条件がある」
男は付け加えた。こういう時は大体良くない提案と知っておきながら首を縦に一回振る。
「お前の隣に立っている女も参加しろ」
俺たちは動きが固まる。は?え?は?こいつはネオンを戦わせようとしているのか?理由がわからない。
「なんでだよ。ネオンが参加する理由が分からない」
「わかったわかった。条件はなしでいい。そしたら、この契約書に名前を書いてくれ」
そういい。一枚の紙を渡される。そこには、ここでの傷は自己責任という事が書かれていたが下に一つ不審なことが書いてあるのを見つけた。
「おい、俺が負けたらネオンを殺すってどういうことだ?」
「あぁ?そのまんまの意味だよ~お前とその女は一心同体ってだけ。この
俺は黙ってペンを手にして乱雑に署名をする。その後一言付け加える。
「俺がネオンから目を離す間何かしてみろ?お前のそのバカみたいなことを言う口を使えなくしてやるからな?」
その時男はニヤッと笑い、ボタンを押した———そう思った時急に落下していることに気づく。そう、あれは落とし穴だったのだ。
「痛っ!!」
下にはクッションがあったものの、硬く尻に痛みを感じる。俺が落ちてきた部屋にはテレビが一個あり、それ以外はドアだけという質素な感じだった。テレビでは前の試合の様子が流れている。屈強そうな男たちが汗を流しながら殴り合っている。一人の男が倒れて五秒くらい経っただろうか?チャイムが鳴りアナウンスが流れる。
「それでは、トーナメント第一回戦最終戦は!!!今飛び入り参加してきた謎の男!!錬斗!!!」
そういわれ俺の部屋に付いていたドアが開く。
「対する相手は~?現在
翔鸞という名前を聞き、三連覇中の絶対王者と言う事よりも自分の知っている漢字名義が出てきたことに俺は驚きながらも闘技場へ向かう。
「よぉ、お前も転生者か?」
目の前に立っていた翔鸞と呼ばれる男はさっきまでの男たちとは違う細身な男だった。口ぶりからして完全に転生者と見ていいだろう。
「お前もってことは......お前もか?」
「そういう事さ。だが、俺はお前とは違うぜ?勇者サマ?」
なぜか俺の事を煽るような言い方で話す。その間にアナウンスが、選手紹介に移っていた。
「今回のマッチはどちらも、転生者!!しかし、翔鸞様は初代勇者パーティーの格闘家!対する錬斗様は、現勇者!!さぁ、過去と未来どちらの勇者が優れているかをし証明すると言っても過言ではないビッグマッチです!!」
そうか......こいつも初代勇者パーティーメンバーなのか..........正直飽きた。もう初代勇者パーティーとの絡みはデオンだけで十分だ......
「.........お前がここにいるってことはデオンがお前を倒せなかったってことだな?」
「あぁ」
「レディ~~~~」
俺たちが話しているのに関係なくアナウンスは割り込んで試合を開始させようとしてくる。
「手加減はしねぇぞ?新勇者!!
翔鸞が一瞬で俺のそばに近寄りそのまま俺は殴り飛ばされる。目で捉えることの出来ない一撃だった。この強さのスキル.....間違いなく最大レベルまで進化したスキルだろう。それに対して俺は、一度も進化していないスキル。俺が不利なことは一目瞭然だ。
「
一応スキルを使ってみる。.......しかし当然何も起こらない。材料も何も持っていないのだから。.......いや、材料がなんなのかもわからないが......
「........?スキル使用条件が定まってないのか??まだスキルが進化してないならこっちのもんだぜ!!!」
何度もスキルを使用し圧倒的スピードで俺を殴り飛ばしていく。そのたびに大きな声を出して盛り上がるオーディエンスたち。誰もが俺の負けだと思っていた。俺もそう思った。
「
......どこかでそう聞こえたような気がした。しかし、翔鸞は止まっていた。
「おい!!錬斗!!どこに逃げたんだよ!!」
........どうなっているんだ?会場の人間も俺の姿を探している......ただ一人を除いて......
「ネオン?お前には俺が見えてるのか!?」
「声を出すなんてずいぶんヒントをくれるじゃねぇか!!」
「ぐあっ.....」
翔鸞から蹴飛ばされる。どうやら、声を出したことにより位置を割り出されたらしい。こうなるともう喋ることは出来ない。俺は自分の姿が透明になっていることに賭けて足音を立てずに移動する。
「ここか?ここか?ここか??」
今俺はスキルを使えない....つまり、
「......そうか、お前姿を隠す能力なんだな??だが、俺のスピードについてこれない.......つまり俺への対抗手段がないんだろう?」
考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ.......頬を汗が流れる。ここで負けるわけにはいかない......ネオンのためにも...........とりあえず暗殺者式護身術
そう思うと同時に俺は手をクロスさせるように構え目をつぶり、音に集中する。完全自動反撃は、近づいてくる音に反応し相手が攻撃する前に攻撃する。これは、己の五感に絶対的自身のある人間じゃないと不可能であり一度のミスも許されない。しかし、今は特殊な状況......自分の姿は相手には見えない。相手もこちらの声で俺の位置を把握しないといけないという状況。これなら多少のミスも許される.......つまり、使い特!!
「来いよ!!翔鸞!!!」
「自分から声を出すなんて馬鹿なやつもいたもんだぜ!!」
叫んだ方向に俺は体を向ける。風の音的にそのまま直進してくるのは間違いない。多分、この少し特殊な風音は手を曲げている。首のあたりから聞こえる......つまり、俺の首を絞めに来ている。
俺はクロスしたまま翔鸞の手を片手ずつつかみ回転させて地面にたたきつける。そしてそのまま顔面を踏みつけた。
「おぉぉぉぉぉ!!!決まったぁぁぁ!!!」
アナウンサーがそういうと同時に俺の姿が見えるようになり観客の歓声も聞こえるようになる。
「1・2・3・4・5!!
どうやら俺は勝つことが出来たようだ.....だが、俺は何度も翔鸞の打撃を食らっており倒れてしまう。
「ん......」
目を開けると知らない天井だった。どうやら俺はベッドの上に寝ころんでいた。そこは内装は、先ほどまでいた待機室とほぼ変わらない一つの扉とテレビがあった。
目の前のテレビの映像ではまた男どもが殴り合っている。そんなときにアナウンスが流れた。
「次の対戦相手はこちら!!一回戦敗退は今まで一度もない!!セレト!!その対戦相手は今回初出場!!フライ!!!」
————―――――
フライ.....彼女の名前は聞いたことがある.....たしか、この町の治安管理局の人間.....が、どうしてここに?でも、私も彼女の事をあまりしならない......だけどあの雰囲気、佇まい.....明らかに他の人間とは違う......むしろ、錬斗様に近い何かを......
「おいおい、笑わせんなよ!まさか俺の対戦相手がこんなババアなんて聞いてねぇぜ!!」
セレトと言う男は完全に相手の容姿を見て弱者だと判断してしまっている.....その時一瞬風が揺らいだのを感じた。鈍い音が会場中に響き渡りセレトは鼻血を出しながら仰向けになり倒れていた。会場が静まり返る。
「ま、まさかの一撃!!今回の
アナウンスの声がだんだん聞こえなくなる。気づいたら汗がだらだらと出ていた。私が戦うわけではないのにあの圧にやられてしまったのだ。他の
その後の試合では、フライも錬斗様も負けることは無く順当にトーナメントを勝ち抜いていった。その結果最終決戦は........
「さぁ!!!最終決戦はこちら!!1年ぶりのルーキー対決だ!!最強の老人!!フライィィィィィィ!!!そして、対するのは!!7代目勇者!!錬斗ォォォォォ!!!」
「あの......」
隣から声を掛けられ体が震える。そこに立っていたのは、受付に立っていた男だった。
「何か用ですか?」
私はわざと強く返す。正直この人に言いイメージは持てない.....
「
「!?!?」
しまった!!やられた!!私の意識が深い奥底に沈んでいくのを感じる。どうやら私は、操り人形にされてしまったらしい.....これからどうなること........やら.......
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