タイムトラベル⑬(海亀編1)

進藤 進

第1話 ユラリユラリと・・・

私は漂っている。


ふと、見上げると。

キラキラと波打つ水面が光の輪を作っていた。


あぁ・・・。

暖かい。


すれ違う魚達に比べたら。

私はこんなに大きな身体なのに。


何て。

軽いのでしょうか。


少し前には。

重い身体を引きずりながら。

浜辺を必死に這っていたのに。


生まれる。

生まれてしまう。


はち切れんばかりに。

膨れ上がったお腹を抱えながら。


私は。

懸命に穴を掘った。


そう。

貴方との。


想いが詰まった卵達を。

孵化するために。

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