百合

階旁殘器久塵遮,

一朵黃葩獨自華。

不借山園春色助,

仍開庭隅夏風斜。

人間世態多蕪穢,

花上精神自照嘉。

欲問清芬何處在,

平凡巷裡亦生霞。


階の旁の殘器 久しく塵に遮られ,

一朵の黃葩 獨り自ら華やぐ。

山園の春色を借りて助くることなく,

仍ほ庭隅に開く 夏風の斜めなるに。

人間の世態 蕪穢なること多しと雖も,

花上の精神 自ら照らして嘉し。

清芬は何處に在るかと欲問はば,

平凡の巷裡にも 亦た霞を生ず。

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