第40話
「わたくしは、絶対的に反対です」
「後見人と言いながら、きっと身寄りのない姉宮さまを好き放題するつもりです。
だって、
どんな乱暴な真似をするかわかったものですか!」
「……いや、それはたしかにそうだけど、
ええっと、ああいうのは東夷風っていうの?」
詰め寄ってくる
「姉宮さまはお人が良すぎます!
いきなりこんなことを言いだすなんて……。
添え伏として後宮に入れと言いながら、どうして姉宮さまを殿方のもとに預ける気になったのでしょう」
「それは、後見人だからよ」
「紫の上の試しもあるではありませんか。
後見人と言いながら、油断したところをぱっくりですよ。
ぱっくり!」
「ぱっくりって……。
あのね、
あなた、案外俗な言い方するのね……」
ほとほと困り果てて、
いくら腹違いの妹とはいえ、
邸の主である
それに、この邸にいると、一挙両得とばかりに
それは重々わかっているだろうに、
先の帝の皇女は、二人だけだ。
とはいえ腹違いだし、二人はそれぞれ母の里で育っており、これまで深いつきあいがあったわけではない。
ここまで懐かれているとは、思わなかった。
いやもう、ちょっとびっくりよね。
どうしてこうなった。
異母妹とはいえ、人の心というのは理解しがたい。
「大丈夫よ、
いくら
「それはそうですが」
「添え伏になりたくないし、
わかって、
諭すように言うと、前のめりで
「……悔しい」
彼女は、小さな声で眩く。
「わたくしが……であったなら……」
「ん?」
「なんでもありません」
扇を握りしめて、彼女は言う。
「ただ、女性というのは、どうしてこんなにも頼りなき身の上かと……。
ただ、悔しいのです」
「それは同意するわ。
わたしだって、人に頼らなくてはいけない我が身が悔しい」
「これまでも、
ありがとう」
「姉宮さまのためですもの。
わたくしにとっては、お助けすることが喜びなのです。
どうぞ、それはお忘れにならないで」
「わたくし、たびたび東二条邸に伺ってもよいのかしら」
「それはもちろんよ」
そう答えたものの、
身寄りがなく、
「でも、
「平気です。
この邸で、わたくしの思いのままにならぬことなど、姉宮さまのお気持ちだけですわ」
「……
苦々しげな妹宮の言葉に首を傾げていると、彼女は小さく首を横に振った。
「いいえ、姉宮さま。
なんでもありません。
お互いに、清らかな身を守れるよう、がんばりましょう」
「え、ええ。
そうね」
やけに決然と言い放つ
「たしかに添え伏にも
と、なんとなく問えない
もしかしたら、
ふと、そんなことを思った。
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