第4話 国王の生誕パレードでまさかの大ピンチ!?

 マリのドレスや靴も揃そろい、それっぽくっていったら変な感じだけど、この王国に相応ふさわしい格好になってきた。マリは、ロングヘアーだったから、ヘアアレンジも自在に出来ていたから、助かったよ。


 もうすぐ、国王の生誕祭でパレードが行われる。それまでに、マリの瞳の色をなんとかしなくてはならない。マリの瞳の色は茶色だが、この国ではエメラルドグリーンが一般的なのだ。僕は焦り過ぎていたのかもしれない。父親に相談してしまったんだ。


「父さん、コンタクトレンズ欲しいんだけど、作れる?」


「作れるが…。どうしたんだ?」


「いや、眼鏡で見るより、コンタクトレンズの方がいいかなって思ってさ。」


「急ぎかなのか?」


「出来るだけはやく欲しい。」


「じゃあ、すぐに作りにかかろう。」


「ありがとう、父さん!」


僕は父さんにコンタクトレンズを任せて、マリのいる僕の部屋に入った。


「マリ、父さんが君のコンタクトレンズ作ってくれるよ!」


「…良かったわ。」


「出来上がれば、僕の眼鏡と同じように相手の情報を見ることが出来るよ。」


「それって、見えないようにすることも出来るの?」


「眼鏡の場合はフレームをタップすれば、見えなくなるけど…。コンタクトレンズは使ったことがなくてわからないことが多い…。」


「そうなのね。」


「マリの瞳に合うといいんだけど。」


「合わないと困るわ。」


「国王の生誕パレードまでに間に合わせないと、だな。」


「生誕パレードがあるの?」


「ああ。君のデータだけ書き換えてみたものの、瞳の色までは変えることは出来なかった。…すまなかった。」


「謝らないで、ルークス。コンタクトレンズが間に合えば、きっと大丈夫よ。」


「国王は一人一人、目を見て言葉を交わすんだ。もし、コンタクトレンズが間に合わなかったら…。」


「私も、ルークスも…?」


「まずいな…。」


「父さんを手伝ってくるよ。」


「私はまだこの部屋から出れないのね…?」


「ごめん、マリ。じっとしてて!」


「分かったわ。」


僕は父さんの小さな工房に静かに入っていった。


「何か手伝えること、ある?」


「その辺、片付けてくれたらありがたいな。」


「…これは、ひどいな。」


「ルークス、何か隠し事か?お前もいい歳だし、隠し事の一つや二つあってもおかしくはないだろう。」


「別にそんなんじゃ…。」


「母さんに心配かけるなよ。」


「分かったよ、父さん。」


僕は父さんの散らかった工房を片付け始めた。工房の隅に、埃に埋もれていた、眼鏡を見付けた。


「それは試作品だが、3分間だけ、未来が見ることが出来る眼鏡だ。」


「…未来?」


「誰も信じてはくれなかったが、な。」


「まだ使えるの?」


「貸してごらん。埃《ほこり》を取って、レンズを綺麗にふきあげて…っと。これを、掛けてごらん。」


眼鏡を掛けて見ると、いきなり国王が現れた。国王がまじまじと目を見つめてくる。そして、隣にいるであろう、マリのことを聞いてくる。


「父さん、コンタクトレンズ、急いで!」


「分かったよ。」


「あと、この眼鏡、もらってもいい?」


「ああ。試作品でいいなら、な。」


「ありがとう。」


マリに父さんからもらった眼鏡を掛けさせた。


「え?誰?」


「今映っているのは、国王だよ。」


「この眼鏡は3分間だけ、未来が見ることが出来るものだ。」


「国王にまじまじと見られたわ…。」


「コンタクトレンズ、父さんが今一生懸命作ってくれてるから。」


「間に合わなかったら、今、この眼鏡で見たようなことが現実になるのね…。」


「そうならないようにするよ。」


「お願いね。」


「ああ。」


マリのコンタクトレンズ、すぐに出来るだろうと思っていたが、出来上がったのが父さんに頼んでから一週間後だった。早速マリに試すように促す。


「つけ心地はどう?」


「…、うん!大丈夫みたい。」


「良かった!綺麗なエメラルドグリーンの瞳だ。なんとか国王の生誕パレードに間に合ったな。」


「この前みた、未来は変わったかしら?」


「どれどれ、見てみよう。」


眼鏡をそっと掛けてみる。国王はにこやかに手を振り僕とマリも挨拶をする。…、良かった。疑われずに済んだようだ。


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