Comic♡Friends

緑玉二本指

第1話 夢

私の名前は與三野 和音。漫画家志望の中学2年生だ。いきなりだが私は今、崖のふちにたったような感覚に陥っている。

なぜなら、私の絵が絶望的に下手なことに気づいたからだ…

漫画家になりたいと思ったのは6歳の時。初めて読んだ漫画。絵も綺麗で、何より物語がいい。読みやすくて面白い。そんな漫画に惹かれた。

小さい頃から絵が好きで、ずっと自分の絵は上手いと思って育ってきた。

親も私の絵を上手いと言ってくれた。だから、後は文才を育てればいいと思って、文章だけを勉強してきた。だが、それが仇となった…

薄々気づいてはいた。これまで沢山の漫画を様々なコンテストに応募した。結果は惨敗。見てもらえることすらなかった。

結果のメールには結果だけが書いてあり、理由は書いていなかった。だから気づけなかった。

文章には正直ものすごい自信があった。なぜなら、6歳から今まで、ずっと勉強をしてきたからだ。小説では様々な賞をとった。だが、取りたいのは漫画の賞。絵にも自信があったため、何がいけなかったのかが分からなかった。

絵が絶望的ということに気づいたのはついさっき。前に応募したコンテストからの結果のメールだった。やはり賞は取れず…

初めて感想と理由が書いてあり、私はパソコンの画面に張り付くように見た。そこには、


與三野 和音様

コンテストに応募していただき、誠にありがとうございました。

残念な結果にはなってしまいましたが、次の参加をお待ちしております。

理由としては、文章や物語性は特に問題はなく、むしろ素晴らしい作品でしたが、作画の方に問題があり、顔のバランスや手の形、大きさなど、失礼なことは重々承知ですが、もう少し絵を直していただけると、採用させていただく可能性が上がります。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

××××


何度も読み返した。読み返す度に溢れる涙。無くなる自信。ヒビが入った夢。

あぁ、私、漫画描くの向いてないかもしれない…

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