みんな、病人

怪獣

朝は起きるのが怖い。夜は寝ることが怖い。夢の中では、幻聴と金縛りに襲われ、布団には染みついた汗のにおいと抜けた毛で、中途半端な不快で溢れていた。

昨日履いた靴下と一昨日履いた靴下が不快の中で絡まると、今日はこいつらを履こうと思う。

苦しみってのは何かと思う。

何となく、苦しいけど、それが正しい苦しみではないことは知ってる。

健全な苦しみの中で、呼吸をしたいと思う。

今はどうだろう。

どこにいるかもわからず、目を開ければ、無機質な光が物体の影を落とすけれど、肝心な物体は見えていない。影を見て、物体を感じることしかできない。

ここはどこだろう。

被害者面をしてても、自分を慰めても、同情を誘っても、何もならない。

何もならないから、何もできない。

ちゃんと、正しい苦しみが欲しい。