閻魔ちゃん
Popsicle922
第1話 閻魔ちゃん誕生
ここは地獄、生前罪を犯した者たちが死後に来る場所。
うん万年もの間、ここ地獄は閻魔大王によって秩序が守られていた。しかし、その支配にも限界があった。
XXXXX年、長い間閻魔大王の処罰に耐えかねた死者たちがついに反乱を起こしたのだ。
その日から何百年もの間、反乱は続いた。最終的には閻魔大王と反乱軍のリーダーの相打ちにより壮絶な戦いは終焉を迎えた。
地獄は混沌の渦に飲み込まれた。統括者を失った地獄の管理者たち。裁きを受けず彷徨う罪人の魂たち。反乱により荒れた地獄。
そんな為す術無くなった地獄に唐突に最深部から轟音が響いた。
地獄の最深部、「獄炎の間」。 そこは長きの間封じられていた禁忌の領域。
門の隙間から溢れる赤い光が、荒廃した地獄を照らす。
音に驚いた地獄の管理者たちが集まる。
そこには一人の少女がいた。その姿は儚く、そしてこの世の神々しさすら感じさせた。
彼女の深紅の瞳はどこか閻魔大王を思わせる。
「‥この子は一体何者だ?」
地獄の管理者たちはざわめく。誰もこの状況を理解できない。
反乱により地獄は混沌に沈み、閻魔大王を失い、秩序が崩れていた。このままでは地獄が崩れてしまうかもしれない。そんな過去例のない状況に陥り混乱した状況の中
「この子を新閻魔大王にしよう」
そう呟いたのは古くから閻魔大王に従えていた鬼神の一人だった
場がざわめく。
「バカな!こんな幼子に何ができる!」
反発の声が上がる。しかし鬼神はそれを無視し述べた
「何もしなければ、地獄は崩壊し続ける。現に地獄を統括できる器を持っている者はいない。閻魔様の面影を持ち、この少女がこんな状況で現れたのは偶然ではないだろう。
力が足りないなら鍛えれば良い、知識が足りないなら教えれば良い。こんな状況だ、最後に一つこの子に全て託してみようじゃないか。」
辺りがざわつく
「‥確かにこのままだと地獄は無法地帯に変わり果ててしまう」
「閻魔様がいない今、新たな支配者が必要だ‥。」
異論を唱えていた者たちも今のこの現状を考えれば反対できない。
その後暫く皆は話し合い、最終的に鬼神の発言に乗っかることにした。
鬼神は静かに少女に歩み寄る。 まだ幼い少女は、自分が置かれた状況を理解しているかのようであった。
「……あなたの名前は?」
鬼神が問う。 しかし、少女は小さく首を振った
その言葉に、場が再びざわめく。この少女は、まだ何も知らない。自分が何なのか、なぜここにいるのか
「では、あなたに名前を授けましょう。」
鬼神は静かに目を閉じて、そしてゆっくり
「今日より、あなたの名前は閻魔だ。」
その瞬間、少女の深紅の瞳がわずかに揺れる
「……
「そうだ。君は新たな閻魔となり、地獄を統べる」
少女はまだ何もわからない。
「……私が……地獄を……?」
「そうだ。そして私達が、あなたを導く。」
地獄の管理者たちがゆっくりと膝をつき、頭を下げる。これが、地獄再構築の始まり。
かくして、幼き新たな閻魔大王が誕生した。
しかしこれは始まりに過ぎない。
閻魔を規定することはできても、彼女が真の王となるためには、まだ多くの試練がある
地獄にて、幼き王の試練が、今始まる。
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