第2話 日常での出来事

 明くる朝、高校に行く用意をして部屋を出た。 

 リビングにいる3人に声をかける。


「おはよう…」

 

 対する3人はこちらを一瞥もしないで朝食を取り始めてしまった。

 義妹は顔と頭がいいだけの俺と違って優秀で容姿端麗、文武両道、俺以外に対しては品行方正で通っていて、黒髪ロングでEカッ…ごほん、とにかく優秀である。

 そんな義妹で義母たちにとっては実の娘だからこそ、話す内容もたくさんあるのだろう。

 分かっていたが、用意されていなかった朝食をどうするか考えながら、家を出た。

 最近はバイトで稼いだお金は九割九分もらってすぐに先輩やオーナーに取られるのでコンビニの横のゴミ箱から昼食を探すようにしている。

 もちろん、朝食は摂れていないし、このバイトも諸事情で辞めることはできない。

 だが、いくらなんでも毎日の食事が賞味期限切れの昼食だけでは辛いものがある。

 というか、そもそもバイト代の搾取は法律違反である。

 まあ、家族に迷惑をかけるので訴えることなどできないし、どうしようもないが。

 

 10分ほど歩いて学校に着くと、通っている2−Bのクラスに入る。

 

 その瞬間、俺に断じてその趣味はないがバケツ3杯分くらいの水を浴びせられた。


「ギャハハハ、朝から臭かったお前を洗ってやった俺ってやっさしーい!そう思うよな、みんな!」


「分かる〜ずっと不快で困ってたんだよ〜まじ陸斗くんって聖人だよね〜」


 その後にクラスメイトたちが次々と同調する。

 ……何かが軋む音がした。


「とりあえず、みんなに迷惑かけたお詫びにッ、おらよッ!!」


 と、言うと遠慮なく俺のことをぶん殴ってきた。

 

「はっ、今日はこれで勘弁してやるよ!」

 

 そういうと、俺を殴った池田陸斗いけだりくととその陸斗を褒めた花澤香菜はなざわかなは自分たちの席に戻っていった。

 感情を無にして痛みと最近ほとんど感じないが微量の悔しさを我慢し、床を拭いてから、落書きと画鋲だらけの椅子を綺麗にして席に着いた。

 それからも、家族に迷惑をかけないよう一生懸命勉強をやっているおかげでとても簡単な授業を受け、早く帰りたいと思いながら辛い学校生活を過ごしていった。



……今思えば、その時から嫌な予感はしていたのかも知れない。

 本当に大切なものは自分で守るということがどれだけ大事か、このときの俺は理解せず、ただ、この瞬間を耐え忍んでいただけだった。


______________________________________


 はい、こちらも改稿しました。

 ちょっと文章は変わっているかもですが、ストーリーには全く影響しないので安心してください。

 それにしても、私が書いたんですが、なんてくだらん話なのでしょう!!

 あと、陸斗めっちゃ三下っぽいね。


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