第12話

ばっ、と怜央ちゃんを見れば煙草を灰皿に押し付けて私に視線を合わせた。


きっと、私は困惑した表情をしてるんだろう。


すると、徐に頭を撫でられて「大丈夫だ」と言う。途端にほっと安心して無意識に強ばっていた身体の力が一気に抜けた。



「……あの〜」



控えめに聞こえた声に忘れていた事を思い出す。



「お前らよく来たな。こっち座れよ」



頭から手を離して立ち上がった怜央ちゃんは、私が座る右側にあるテーブルを指差した。


4人が座ったのを確認すると、怜央ちゃんが私の隣に戻って来る。



「――心寧。お前は来週から高校だろ?」


「うん」


「理事長が知り合いだからそこになったんだが、俺の母校でもある」


「……」



本日二度目の嫌な予感。



「こいつらもいる。正しくは、龍牙の殆どが通ってる」

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