第3話
この街で問題を起こせば彼等の手によって裁きが下される。逆に言えば、彼等がいるからこそ安全という見方もある。
「今回も見れたし、次は冬かぁ」
よっ、とベンチから勢い良く立ち上がって最後に繁華街を一望してから家へと歩みを進めた。
歩く事15分程度して着いた家。家と言うよりかは一軒家と言うよりもマンションだ。
10階建てで私が住んでいるのは9階。
エレベーターを使って見えた部屋の中に入ると、どっと疲れが身体を襲った。
「ただいま」返事が返ってこないのに癖で言ってしまうのはしょうがない。
チクリと痛む心に気付かないふりをしてその日は直ぐにお風呂に入って就寝した。
次の日けたたましく鳴り響いた目覚ましの音で目が覚めた。音大きすぎじゃない?危うく壁に投げつけそうになるのを抑えて元の場所に置いた。
「それにしても眠い……。ねる、」
睡眠欲には逆らわない。それが私。再びベッドに潜って頭まで布団を被ると、ぽかぽかしてそのまま意識を手放した。
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