ピアニスト
前回に続き、かつて実際に近畿新聞に掲載された不気味な記事を転記させていただきます。
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【近畿新聞2018年11月13日発刊分掲載記事(コラム)】
かつて稀代の天才ピアニストとしてその名を日本中にとどろかせていた森田悠貴は、コンサート等で自身が使用するピアノの内部に、人間の死体の一部とみられる物体をピアノの構成部品として組み込むという狂気的な行いをしたことで知られている。
事が発覚したのは2017年、森田がコンサートツアーを行っていた最中の事、名古屋にて行われたコンサートを聞いていた聴衆の一部が、集団的に錯乱してしまう事件が起こった。症状の発症者は共通して、「森田の奏でるピアノの音に交じって女性の悲鳴が聞こえてきた」と説明を行った。ただその一方で、聴衆の中には「今日のピアノの旋律はこれまでで最も美しいものであった」と涙を流しながら感想を語る者もおり、その日発せられたピアノの音に関しては謎のままであった。しかし事態を重く見たコンサートの運営会社は、森田に無断で森田の愛用ピアノを分解、その結果ピアノの内部から死体の一部とみられる物体が見つかったのだった。
この出来事が決定打となり、森田は音楽界を永久追放、その名を連盟から削除され、過去の記録についてもすべて抹消されることとなった。なお、発見された遺体の一部については誰のものであるのかは全く分かっておらず、現在にも続く未解決事項となっている。森田自身は遺体の埋め込みについて肯定も否定も行っておらず、「あれで音が大きく変わるのは事実なのです。だって、お客さんだって喜んでくれていたでしょう?みなさんだって過去に聞いたことはあると思いますよ?」と語っている。結果的に森田には音楽家として非常に重い罰が下ることとなったものの、発見された遺体の扱いに関して森田がどこまで関与していたのかは不明なままであったため、刑事罰を受けることはなく終わった。それゆえに音楽界から下された罰は重すぎるのではないかという声も一部から上がっているのだが、森田自身は連盟に対し抗議等は行うことなく、潔くピアニストを引退した。その後は運送業に転職したとされているが、詳細は不明。
【概略:森田悠貴】
森田悠貴(1981年5月17日~)は、島根県松江市出身の日本のピアニスト、作曲家、作家。島根県松江市に生まれ、4歳の頃からピアノを始める。幼いころに森田に音楽を教えた家庭教師曰く、何を考えているのか分からないタイプの子どもだったという。その手が奏でるメロディには幼き頃より才能の片りんを感じさせるものがあったが、音調のクオリティに関して浮き沈みが激しかったようで、昨日できていた事が今日になると全くできなくなってしまっていたこともよくあったという。
2000年、国立音楽大学の受験に合格するも、入学はしなかった。
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