第5話 上級魔法みたいな


僕は、その教室のドアの前に立っていた。

今日は、夜の授業があったからだ。


〘 凪〜!〙


〘 遅刻だ〜!!〙


「すみませんw」



苦笑いしながら亜尾先生に答える。

そして、僕は自分の席につくのだが、、



((今日は魔法陣生成訓練だよ〜!)


((がんばろーね!))




クラスの皆、声を上げて笑っている。

先生の言葉を借りるとしたら、皆の方が一年生らしくない。

でも、皆それぞれの信念があって、それに向かって進んでる。

楽しそうだなぁ、、ww



「「「行くよ〜凪も〜」」」



魔法使いは正義の役職、、か、、

確かに、その通りだけど。

クラスの皆、励ましあって高めあってる。

正義と言うより、、味方みたいだ。












魔法陣生成訓練、、つまり魔法陣を作るのだろう。

魔法陣とは、指先に魔力を込めて、イメージする。

そのイメージに沿って、魔法陣の構成を変えるんだ。


「やっぱり、出来ないか、、」



一回やっても、形にならない。

魔力を溜めて、イメージ出来てるのに、それが形にならないんだ。






〘 落ち着け。凪。〙


「、、?」




〘 お前には、、居るだろ?、w〙


〘 沢山の、、仲間が。!〙




「、、、ッ!?」








そんな亜尾先生の言葉に、僕はハッとした。

目の前を見ると、皆が皆、僕が魔法陣を生成する所に立っていた。


((どうしてかな〜?))


((もう一回やってみよ!))




なんで。

皆、自分の魔法陣はどうしたんだ?








〘 、、ww〙


〘 クラスメイトの一人が出来なかったら、皆で考える。〙


〘 それが、魔法学園なんだよ、!〙






驚いた。

本当に馬鹿みたいだ。

でも、





{アハハ、俺も出来ないんだよねー、、}


{でも、皆でやれば大丈夫!!}


((そうだねー!))


((皆出来ないよ、、))


「、、、じゃあ。」





((、、、wwwwww))





「皆で、やってみようか。」





(((うん!)))











そうして、夜が明けるまで皆で魔法陣を生成しようとした。

今、皆でやっている魔法陣の生成は、ランク3番目、中級魔法だ。




{今度は、どうやってみる?}


「「うーん、、」」


((イメージは出来るんだけどなぁ、、))





〘 、、、ww〙


〘よーし!じゃあ皆!〙



(((、、???)))





〘皆で一斉に、魔力を溜めて生成してみろ!〙








((皆で、、、一斉に?))







そう、皆声を合わせた。

先生の狙いは、、それだったのか。

一人一人の魔力だけでは、この中級魔法陣は生成出来ないが、、、皆の魔力が一斉に解き放たれたその時なら、、、



「「「「行くよー!」」」」



「「「せーのっ!!!!」」」











皆で輪になって魔力を離した。

そして、皆でイメージした。








「「「で、、、」」」




「「「出来たァー!!」」」







皆、飛んで喜んだ。








〘やったな!皆!〙










あぁ。なるほどな。

だから、魔法学園なのか。

、、、、www



この景色を見れば分かるだろう?

魔法使いは危険だけど、、でも、、

面白そうだ。ww

全く。ww














「、、、ww」


「イメージする魔法陣と自分の魔力があっていないんだ。」



{え?}




「今よりも、少しだけ、楽しもうと考えて魔法陣をイメージすれば、、」


「一人でも、生成出来るよ。」




皆で魔法陣を生成した後、一人だけ少し悔しそうな顔をしていた。

皆で出来たとしても、一人ではない。

だから、少しだけ、支えてみよう。

言葉は、いつでも傍に居られる魔法だ。





{、、!!!}


{出、来たよ、、!?}


{ねぇ!!出来た!}



「うん、」


「うん!おめでとう!」






{ありがとう!}


{俺は六!}


{クラスも一緒だし、これからもよろしくな!}




「、、、ああ。」


「よろしく、、、ww」









「僕は凪だよ。」



「よろしく。六。」

















〘明日は少し難しい授業をするからな!〙


〘しっかり休んでおくように!〙



「「「「はーい!!」」」」









そして、僕らはその場所を後にした。

そろそろ学園生活にも慣れてきたところだ。

魔法使い。

僕は、、、楽しみだった。

、、ww

でも、それと同時に、、

怒りも湧いてくる。




《あの、》



「、、?」





誰だ。

ここは学園の敷地内、この人は、見たことがない。

そもそも、入口から近い校舎ではなく少し離れたこの場所に何をしに来た?



《亜尾先生に会いに来たのですが、こちらにいらっしゃいますか?》



「、、、はい、ここから少し先に行ったところにいると思いますよ。」


《そうなんですね!ありがとうございます!》


「いえ。」


《では、少し会いに行ってみます、》


《失礼しました、、》


「、、、」





そして、僕らはすれ違った。

しばらく、僕はゆっくり歩いていた。





最初に僕に質問をした時、、


《亜尾先生に会いに来たのですが、こちらにいらっしゃいますか?》


これは、なんの確認だ?

校舎なら分かるが、離れた場所に態々来たのになんで今更知りもしない僕に聞く必要がある。

癪に障る。



そして、僕は隣の木に飛び乗った。













































亜尾先生は、クラスの皆が帰っても少しその場に留まっていた。


〘 、、ふぅ。〙


〘 まだまだだな。でも、中々芯のある奴らだ。〙


〘 ほんと。〙








そして、その背後から現れた。






《お久しぶりですね〜、、、》


《亜尾先生》



〘 、、ん?君は、、〙



《あぁ〜、、忘れちゃいましたぁー?》










そして、姿が消えた。

でも、その姿は亜尾先生にナイフを向けていて。





《前に会った魔神族なんですけどね〜、、》


〘 !!!〙




亜尾先生は驚きながらも、その攻撃を軽々避ける。

そして、手を伸ばす。



〘 危ないな。、〙


〘 思い出したよ。今の攻撃は、、〙



《はい、貴方に手も足も出なかった攻撃魔法ですよ》




《ですが、流石ですね》


《まさか、、避けながら魔法を撃ってくるとは、、》




〘 、、、ww〙








どうする。

こいつは、、この魔神族は、


〘 〘 危険だ。〙〙


そう、生徒がいる中で、本気でこられたりしたら、生徒を巻き込んでしまう。

それに、こいつの馬鹿でかい攻撃範囲に入ってしまっている、、容易には逃がしてくれないだろう。






《あの屈辱、、忘れもしません。》


《貴方の魔法で圧倒されたあの瞬間、、》


《私の中の何かが崩れたんだ》


《ほんと、、虫酸が走る、》







そう言いながら、男は、手に斧を構えた。










《ここなら、、貴方にぴったりな復讐が出来ると思って、、》


〘 、、?〙







《さぁ、貴方は、》


《生徒を巻き込まずにこの私を倒せるでしょうか?》



《見物ですねぇ、、》







《精々、、足掻いてみてくださいね》









その瞬間、男は姿を消した。

次に現れたのは亜尾先生のすぐ背後。

でも、亜尾先生は目線も変えずに防御魔法で応戦する。




〘 〘 、、、!!〙〙


《防御だけですか》




男は足を強く着いて、魔法陣を生成した。

その魔法は、、上級魔法、、ランク1、、










おいおい。











〘 、、ww〙


〘 当たるかなっ!?〙









そんな上級魔法を目の当たりにしても、亜尾先生は怯むどころか自分から当たりに行ってるとも見えた。


流石教師。






《おっと、、、危ない、、》






男の足元に魔法、、また、攻撃魔法 上級魔法だ。

上級魔法と言っても、その人の魔力量、洗練度、他にも沢山その使う人の実力が加味されてくる。


今の戦闘では、、






〘 さぁ、、これは、、〙



〘 避けられるかなッ!?〙








圧倒的に魔神族が不利だ。

先生は、恐らくまだ本気じゃないだろう。

全くと言っていいほど、必死になっていないんだ。

、、、wwww

笑っちゃうだろ

なんで、そんなにも実力差があるんだよ。






僕は、木の上から、眺めていた。



その二人の戦闘という名の、、ただの遊びを。








ここで、亜尾先生に圧倒される姿も見てみたい。

だけど、





僕は、魔法を生成した。

久しぶりだった。

イメージする、でも、、やっぱり、、

イメージするとアイツが出てくるから、、、

逃げてたんだ。


でも、、

それでも、




「魔法錬成 結界」



ここら一帯に結界を張った、

亜尾先生。

羅々先生。

この二人なら、絶対にこの結界に気づくだろう。








俺は、膨大な魔力を隠しながら木から飛び降りた。








「さぁ、、楽しもう。」


「、、、」












俺の頭に、とある少女が浮かんだ。




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