異世界転移でキャラ創造でマイクラ的発想の転換
みなと劉
第1話
目が覚めたのは、土と草の匂いが混じる森の中だった。俺は仰向けに倒れていて、見上げる空は鮮やかな青。太陽の光が木々の隙間から差し込んでいる。心臓がどくどくと脈打ち、呼吸が荒い。状況を把握しようとするが、頭がぼんやりしている。
「……ここ、どこだ?」
声に出してみると、やけに静かだ。虫の声や鳥のさえずりは聞こえるが、車の音も人の話し声もない。森の匂いが濃く、まるで現実感がない。いや、これは……現実なのか?
上体を起こし、手を見下ろした。なぜか、ゲームのキャラクリ後みたいに自分の手を見つめてしまう。肌の色は変わっていないし、指も五本ある。服装もTシャツにジーンズ。スマホは……ない。ポケットをまさぐるが、鍵や財布もない。
「……マジか」
異世界転移だ。
確信したのは、視界の端に見えたウィンドウだった。ゲームのUIみたいな青い枠が浮かんでいて、そこにはこう書かれていた。
──スキル【NFTクリエイション】が付与されました──
NFT? いや、待て、どういうことだ。NFTって、俺が前世で関わってたブロックチェーンゲームのあれか? 確かに、俺はNFTゲームの開発に関わっていた。キャラクターを作り、育て、売買するシステムを組み上げ、仮想通貨を絡めた経済圏を作ることに夢中になっていた。だが、まさかそれがスキルになるとは。
「これ、どうやって使うんだ……?」
試しに意識を集中してみると、新しいウィンドウが開いた。
──【NFTクリエイション】──
・キャラクター生成(未使用)
・アイテム生成(未使用)
・通貨発行(未使用)
俺はゴクリと唾を飲み込んだ。これは……チートじゃないか? もし、キャラを自由に作れるなら、強力な戦士や魔法使いを生み出せるかもしれない。アイテムを作れるなら、便利な道具を無限に生成できる可能性がある。そして通貨発行……これは、経済を作れるということだ。
「……とりあえず、試してみるか」
まずはキャラクター生成を選ぶ。すると、視界にキャラクリエイト画面のようなものが展開された。名前、種族、職業、スキルポイントの割り振り……完全にゲームのキャラメイクと同じだ。俺は直感的に操作し、まずはシンプルな人間の剣士を作ることにした。
名前:アルベルト
種族:人間
職業:剣士
スキル:剣術Lv.3、耐久力Lv.2、戦闘直感Lv.1
──キャラクター生成を確定しますか?──
「確定!」
俺がそう呟いた瞬間、目の前の空間が光を帯び、人の形を成していった。やがて、一人の青年が姿を現す。金髪に青い瞳、鍛えられた体つきの戦士。
「……主よ。あなたが私の創造主ですか?」
アルベルトは膝をつき、俺に忠誠を誓うように頭を垂れた。俺は何か言葉を返そうとしたが、胸の奥がざわついた。この世界での俺は、神のような存在なのか? それとも、ただのゲームの管理者に過ぎないのか?
「俺は……ただの人間だ。でも、これから一緒に生きていこう」
アルベルトは微笑み、頷いた。
次に、アイテム生成を試す。適当な木の枝を拾い、それをベースに「剣」として設定する。すると、ウィンドウには【ウッドソード】というアイテム名が表示され、素材の詳細や強化の可否まで示されていた。
「なるほど……素材次第でアイテムの性能が変わるのか」
試しに確定すると、木の枝はわずかに光り、簡素ながらもしっかりした剣へと変化した。ゲームのクラフトシステムに似ているが、違うのは……これは現実だということ。
「……よし」
俺は立ち上がった。腹が減ってきたし、水も必要だ。この世界で生きていくためには、まず生活基盤を作らないといけない。
幸い、俺にはスキルがある。この【NFTクリエイション】がどこまで応用できるのか、それを試しながら、この世界で生きる方法を探していこう。
まずは拠点作りだ。
そして、次のキャラクターを創造する。
──世界を創るのは、これからだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます