千乃時加羅&傘吹雪刀利シリーズ-推理可能-

夜乃 凛

第1話

千乃時加羅せんのじ から (喫茶店の店長)

傘吹雪刀利かさふぶき とうり(無職)

平川冬彦ひらかわ ふゆひこ  (刑事)


神楽秋野かぐら あきの  (白良館の主)

四方木正志よもぎ まさし (秋野に仕える執事)

盾上力石たてうえ りきいし  (秋野に仕える船乗り)

相川七雄あいかわ しちお  (運搬業者)


白井夏帆しらい なつほ  (医療従事者)

権田周平ごんだ しゅうへい  (白良館の料理長)

滝瀬錠時たきせ じょうとき  (白良館の料理人)

道間時秋どうま ときあき  (ファッションデザイナー)

道間冬野どうま ふゆの  (道間時秋の妻)


北央七瀬ほくおう ななせ  (アイドル)

朱天アキラ《しゅてん あきら》 (白良館の住人)




「え、これ、死んでるの……?」


 女が口を抑えている。

 数人の男女が、倒れている人物の前に並んでいる。

 場所は室内。部屋の者達の前方に灯ったモニターが明るい。

 しかし明るいのはその光だけ。暗い風景だ。

 倒れている人物の背中に、鋭い刃物が刺さっているように見える。

 人物を中心に、広がる赤色の沼。

 部屋には、背もたれの長い緑の椅子が、モニターの前に置いてある。

 誰も座っていない。ただそこにあるだけの椅子。

 外では、激しい雨と激しい風が吹いている。


「嘘でしょ?」


「見てはいけない」


「だって!!」


「見るな!!」


 強い風が吹いた。しかし、その風はその場の雰囲気を吹き飛ばしてはくれなかった。

 ただ、静か。


 

 しばらくは、平穏な日常が続くと思われる。

 だが、その平穏とは打ち破られるもの。しばらくは、この退屈で微笑ましい日常をお楽しみ頂きたい。

 殺人という事象が起きるが、それをどう取るかは人次第である。

 些末事か、大事か。犯人でさえ、被害者でさえ、全ての視点を持っているわけではない。

 どうか、このささやかな犯人探しに、お付き合い頂きたい。

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