勇気のチョコレート

高畑メイ

第1話

神崎恵梨香…中学2年生。

平野直人…クラスメートでもあり私の片思いの相手。

私は今まで男子に興味がなく初めて好きな人ができた。

直人君とは小学校から一緒で小学生の時は何とも思っていなかった。

でも中学生になり意識始めるようになった。

密かな片思い…。

それだけで良かった。

想いを伝える勇気など私にはない。

ただ消しゴムに好きな人の名前を書いて誰にも使われなかったら両思いになるなんて噂を聞いて私は密かに消しゴムに直人君の名前を書いてみた。

相変わらず変化のない学校生活。

私は最近友達と恋バナで盛り上がる。

でも私が片思い中の事は言わない。

友達の好きな人の話を聞いてあげる側。

私も好きな人がいるんだって何度か言おうと思ったがやっぱり密かに直人君の事を想うことにした。

授業中は何度も直人君の事を見てしまう。

これじゃ言わなくてもバレるのは時間の問題。

気をつけなきゃ。

片思いは片思いで楽しい。

もちろん両思いの方がいいに決まってる。

でも少し目が合っただけでドキッとするし少し会話が出来た日は一日が幸せになる。

小さな事で私は満足していた。

一月の終わりになり周りの女子が騒ぎ始めた。

そう…もうすぐバレンタイン。

私には関係ないと思っていた。

渡す勇気などなかったから…。





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