【#2 馬鹿じゃないの?】

 散々、男のことを言い続けてきた私だが、女子だって相当なクズだ。世の中クズが多いものだ。



「ねえねえ今日来る転校生知ってる?」


「え、何それ~ww」


「なんか前の学校で、遅刻しまくってて、宿題滞納数の歴代最高を更新したらしいよ。」


「で、退学?」


「どうなんだろ。」



 そんなのうわさに過ぎないに決まっている。そんな馬鹿みたいな人間がいるわけない。めったに。



「でさ、でさ、イケメンらしいよ~。」


「え~そうなんだ~。」



 やっぱりこの二人もクズだ。人を顔でしか判断しないようなクズ。



 キーンコーンカーンコーン。



「急だが、転校生を紹介する。」


「「「「えー?」」」」


「入ってきていいよ……ってあれ?いない?ていうかもしかしてまだ来てない?」


「やっぱ遅刻常習犯のうわさってホントだったのかな。」


「知らねえよ。でも流石に初日に遅刻はヤバいだろww」



 こいつらもクズ。人の不幸を笑うクズ。



「なんか、いないから、まあ、とりあえず、いっか!」


「先生適当ですね。」



 こいつもクズ。立場を理解して発言できないクズ。



 ――帰り道。



 電車……混んでる。


 ざわつきと人の多さに酔って私は外に出る。


 外には、うちの学校の制服を着ている人がいた。見ない顔だが、ネクタイの色から、二年生だと直ぐにわかった。


 でもうちの学校は二クラスしかないので、知らない顔なんてないはずだ。では、この人はいったい……?



「あ、そこの人、すいません!」


「……え、私?」


「あの、私立冷凍学園にはどうやって行けばいいんですか?転校生なんですけど、一日目に遅れそうになってて……。」


「あの、もうHRも終わって、下校してますよ……?」


「えっ?ホントだ……。また明日遅刻してもいけないから、この駅で待ち合わせない?」


「……いや何で私がわざわざそんなことを……。」


「オッケー、明日待ってるね~。」



 そう言って転校生は走り去っていった。


 誰もいなくなった駅に心炉は立ち尽くしていた。



「……馬鹿じゃないの?」



 そういえば家の最寄り駅ここじゃないじゃん。


 人に酔って降りたのをすっかり忘れていた。


 日は既に暮れかけていた。

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