第12話

帰宅して、暉と友恵さんと夕飯の支度をする。



「空ちゃん、卒業式はどうだった?

仲が良かった先輩とかは居たの?」



ジャガイモの皮を剥きながら、友恵さんは何故かワクワクして聞いてくる。




「何人か知ってる人はいますけど、そんなに親しい先輩はいなかったです。」





「あらそうなの~残念…

じゃあ第2ボタンのやりとりないのね。」



なんでかとてもとても残念がる友恵さん。




「友恵さんはもらったんですか?」




「1度だけね…あるのよ。」



とても照れくさそうにいう友恵さんは、きっとその時の事を思い出してる。

きっと素敵な思い出。



そんな思い出が、私はまた、羨ましくなるくらい。





まだあなたを忘れられないでいる。


楽しくも、悲しい恋だった。






もし、友恵さんの第2ボタンの相手がお父さんだったら、本当に、本当に、素敵で幸せなことだ。

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