『うちの姉ちゃん覚えてないか?』


「姉ちゃん?誰だ?それ」


『そうか、そんな態度取るんだ』


「おいちょっと待て、名前は」


『名乗ることもないだろう』


「おい、目的を言え、言ってくれ。

あと凍えそうだ。温度を上げてくれ」


『真摯に頷くと思う?』


「あ、ああ。きっとそうだ」


『嫌だね』


「頼む、お願いだ」


『しょうがない』


「ありがとう、礼を言う。ありがとう本当に」


『違う。あんたに殺された人々の声だよ、

聞かせてやる』


「おい、なんだよそれ、俺は無関係だよ」


『そうか、じゃあまずこの音声だ』  


【もしもし、おい、聞こえてるか?

頼む、頼む。


なんだよ、急に


助けてくれ、閉じ込められてるんだ


酔ってんのか?こんな時間だぞ


今、今手を縛られてて、

リフト、リフト。スキー場に、スキー場の】

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