第7話

しばらく着せ替え人形になった後、朝陽が


「ねぇ、ルナさん!一緒に遠出してみない??」


と提案を出してきた。


「遠出か…。別に構わないぞ。何処に行くんだ?」


俺がそう言うと、朝陽は目を輝かせ早速身支度を始めた。


「たかが遠出だろう?そんなに荷物がいるのか??」


「いるよ!だって遠出だよ??何泊かしたりしたら服とかいるじゃないですか!!」


俺が思ってた遠出は、少し遠くの方まで行くのかと思ってたが、どうやら違うらしい。


「ほら!ルナさんも準備して!!」


朝陽に急かされ、俺も身支度をし

キャリーケースを持ち、部屋から出た。


「久しぶりの遠出だなぁー!楽しみ〜。」


「…朝陽、お前荷物…そのバック1つだけか?」


俺はキャリーケースなのだが、肝心の朝陽は

バック1つだけだった。


「実は、今から行くところは…俺の実家です!!」


突然の報告に、思わず「…は?」って言ってしまった。


「俺の実家、旅館やってて…これを機に里帰りしようかと。」


朝陽の実家は、歴史のある旅館らしく

実家を出てからは、帰ってなかったらしい。


「それなら何時でも帰ってもよかったんだぞ?」


そういうと朝陽は、ポツリと言った。


「俺、昔から…男から好かれることが多くてさ、お客さんに襲われかけたこともあるんだ。だからそれが嫌でさ、逃げてきたっていうか……。」


「そうか…それは辛かったな。でも大丈夫だ。俺と交わってる時点で、もうそんなことは無いだろう。」


朝陽を抱きしめながら、優しく言った。

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