嫁が浮気してたので俺は姿を消そうと思う
猫カレーฅ^•ω•^ฅ
第1話:聞いてくれ
もう、逃げ出したい。ここにこんなことを書き込むのが正しいのかどうか分からないが、嫁が浮気してたので俺は姿を消そうと思う。
今は自分の感情がめちゃくちゃで怒りなのか、悲しみなのか、情けなさなのかすら分からない。一つの感情じゃなくて、色々な感情が入り乱れている。焦りとか、劣等感とか、悔しさとか、色々混ざってる。
そして、その複雑に混ざり合った感情は常にうねっていて、変わり続けている。その辺りも書き出すことで自分自身が整理したいというのが目的だ。
俺は書くことしかできない。自分自身にこんなことが起きるなんて今でも信じられないんだ。事実は小説より奇なり……そんな言葉もあるけどまさに。単なる浮気ならどれだけ良かったか。
今は、全てを捨てて逃げ出したい。会社も、住宅ローンも、両親も、義両親も、子どもも、そして妻もおいて逃げ出したい。妻は色々なことによく気が付く。それでも気付かれないように逃亡の準備をして彼女に見つからないように逃亡しようと思う。
まずは、俺と嫁のことを少し書く。俺は38歳の会社員。結婚8年目のごく普通の会社員だ。趣味で小説を書いていて、WEBの無料小説サイトに投稿するのが唯一の楽しみだ。たまにアクセスが増えるとテンションが上がる。酒は少しだけ飲むけど、晩酌で1日ハイボールか酎ハイを1缶程度。それも、5パーセントとか3パーセントとかアルコール度数は低めのやつ。ギャンブルは全くしない。浮気も全くしない……というか、それほどモテない。カネのかかる趣味はなくて、給料は全部家に入れて俺は小遣い制。月に1万円でやりくりしてる。弁当は妻が作ってくれるし、タバコは吸わないし、飲みに行かないから1万円でも何とかなるんだ。言ってみれば、面白みもない普通のサラリーマンってとこ。
妻も38歳。美人。妻とは高校の時の同級生で、卒業して社会に出たときに再会。奇跡的に付き合うことになり、奇跡的に結婚してくれた。今はパートでスーパーのレジ打ちをしてる。家事全般をやってくれていて、料理上手だ。掃除と洗濯は特筆することはないけれど、悪いこともない。週に何回か洗濯してくれている。俺は仕事柄カッターシャツは着ないのでアイロンがけとかはない。掃除は週に1回か2回くらい掃除機をかけているらしい。汚れやホコリが気になったことはない。
子どもは3歳。女の子だ。生まれてから数カ月は子育てが大変だったから俺も少し育児に参加した。とにかく寝ない子どもだったし、3時間おきにお乳をあげないといけなかったから夜中に俺が抱っこして嫁を寝かせて睡眠時間を確保したりもした。最近はよくしゃべるし、走り回っていて元気だ。それでも、月に一回くらい風邪を引いたりするので、ちょくちょく病院に連れて行ってるらしい。多少手はかかるけど、その分かわいい子だ。妻に似て顔立ちも整っているってのもあるし、表情豊かだしよく笑うって意味で可愛い子だ。……と、思っていた。
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