第8話

「大翔、愛してる」



「いきなりなんだよ」



「ただ言いたくなっただけ」




大翔は何も知らない。知らなくていい。私が守りたいものはもう決まっている。



大翔は「俺も」と言って頭を撫でてくれた。



ベッドの中で手を繋ぎながら目を瞑る。



もう一眠りして目覚めたら、キスをしよう。



そしてサヨナラを言おう。



大翔が起きないうちに、幸せに浸っているうちに、今はまだこの温もりに包まれていたいから。




「おやすみ」




どうか大翔のこれからも優しさでいっぱい包まれていますように。

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