第2話
テレビの画面に映る彼が真横に居るなんて不思議な気分。
テレビの中ではいつだってクールで口数が少なくて、だけど女の子たちのハートを簡単に奪うことができてしまう彼。
魅力的なのは声だけじゃない。
整ってるこの顔だって十分すぎる武器。
無防備な寝顔はきっと私だけが見れる彼なんだろう。
そう思うとその寝顔が尚更愛しくてたまらなくなる。
そっと頬を指でなぞると、眉が微かに動いて思わず顔が緩んだ。
大きなベッドから地面に足をつけ、静かにそこから出ようとした瞬間。
「――…どこ行くんだよ」
腕をぐいっと掴まれて不機嫌そうな声は寝起きだからなのか。
振り向くと彼はまだ眠そうな目で私を見つめる。
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