転ラブ 異世界転生した俺、現代技術で無双!?~いや静かにラブコメしたいです~

K.M

序章

第一話 次回、俺、死す!

 俺は遠藤大輝。自由気ままに暮らす――っていうかフリーターだ。多くの人が真面目に働いてる中、何してんだって思うかもしれないけど、時々バイトはしている。さすがに金がないと生きていけないだろ?あとは親から振り込まれる金で毎月何とか生活している。


 でも、最近なんとなく疲れてきてる気がする。周りの人間に、バイトに、親に、町行く人に、友人に合わせるのがつらい。でも、反対するのもつらい。何もしてなくてもつらい。ようは社会に生きるのがつらくなってきたってことだ。


 ん?人生末期?そうかもな。そろそろこんな人生終わってもいいかもな。



「死……か……。意外と悪くないかもな。」



『それが汝の望か。承った。』



「は……?」



 え、まって今のなに?汝って俺の事だよな。で望って――まさか、死も悪くないって?んでもって承った?え、俺死ぬの?



「いやいやいや。さすがにないな。頭でも打ったんだ。」



 綺麗な女性の声だったな――。






 やっぱりそれから数カ月たっても特に何も起こらなかった。




 しかし、悲劇は突如訪れる。いやあんなこと言った俺にはある意味、喜劇かな――。




 ある日のバイト帰り。バイト先の先輩に声をかけられた。




「ちょっとちょっと。遠藤クン☆」


「え、なんスか。」



 なんか語尾に星付いてるし……。あふれ出る陽キャオーラ怖。対して俺は根っからのクソ陰キャ。陽キャが陰キャに何の用だよ。



「え、睨んでる?」


「はっ。すいません。」



 無意識……!



「で、用件はなんスか。」


「ああ。えっとね、今度の三連休でバイトの人で集まってデズニーでも行こうって話になってて……。」



 うわ、出たよ。陽キャ特有の集まりたい欲。めんどくさ。でもここはやわらかく返さなければ……!



「そうなんですね。でも俺数回しかバイト入ってないのにいいんスか。」


「うん。他の人はなんか言うかもだけどそこは僕のバイトリーダーとしての権限で……。」


「……アンタ、バイトリーダーだったんか……。」


「……アンタ……ね……。」



 あ、やば。



「いい返事待ってるよ!じゃ、また!」



 いい人……。でも陽キャ怖い。断ろ。





三連休――。





「あ、遠藤クン!」


「おはようございますっス……。」



 来てしまった……。そもそも陰キャの俺に断れるわけがないのだ。



「新幹線コレだね。乗って乗って~。」



 やべぇ。バイトの人勢ぞろい……。人多い……。



 めっちゃ憂鬱なんだが――。



 新幹線で約一時間半くらいだっただろうか。東京駅に着いた。憂鬱だけど……。



「うん、どうせなら楽しもう……。」



 憂鬱だけど……。



「あ、先輩~。あの店寄りたいです~。」



 うわ、出た。陽キャの色んなところによって行きたがる癖。こんな奴らと楽しむなんてやっぱ無理。いやきっと先輩も到着が遅れるから断るはず。



「あ、僕もここ来てみたかったんだよね~。入ろ入ろ~。」


「なんでだよ!」


「へ?」



 あ、つい思ったことを言ってしまった……。



「ごめんね、こういう店苦手だった?」


「え、あ、その……。」



 店の雰囲気はとてもお洒落で落ち着いている。中にはみんな今の時代に乗っていっているような人ばかりだ。正直言って、苦手とかいうレベルじゃない。



「はい……。ちょっとこういう洒落た店が苦手で……。外で待ってるんで見てきてください……。」



 俺みたいな陰キャが陽キャの判断を否定することなどできない。やっぱり来なければよかった。


 先輩たちが店に入っていって、俺は一人になった。昔からぼっちだったから、特に寂しいとかはない。うん、急に静かになって寂しいとかはない。ないったらない。


 そんなことを考えていると辺りが急にざわつきだした。いや、東京駅だから元からざわざわしているのだが、急に悲鳴などが混じって、逃げていく人も出てきた。


 何か、あったらしい。

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