✨第3話✨世界で一番美しいのは貴方

 棺の中の王子の姿を見て、姫は髪の毛をぐしゃぐしゃと掻き乱して絶叫した。


 「キィィイイイイ!!!!!!!あたしよりキレイだしぃいいいいいい!!!!!!!!!!」


 コトリ小鳥「ひ…姫様、お気を確かに」


 姫「やだやだぁ!!!これじゃあ、王子とアタシが一緒になったら、アンタ達、『王子の方が綺麗』っていうんでしょ!!???」


 サトリ悟り「そうじゃろうな…致し方無い。」


 姫「おいテメェ、空気読め」


 姫はコトリの方を振り返り涙目になる。


 姫「こ…コトリ。世界で一番美しいのはだぁれ?」


 コトリ「も…もちろん我が麗しの姫君にござりまする…(ガクガクブルブル)」


 姫「うふっ…そうよね。さすがは私の一番弟子。サトリ、あんたはどう思う?」


 サトリ「……………………。……!!!!!!!」


バキバキ凹ボコッ!!!!!!!!!!


 姫は両手をパンパンと払い、一瞬微笑んだ後、改めて王子の顔をまじまじと覗き込む。




 姫「ちょっとメイク直してくるわ。」


 

◆◆◆



―30分後―


 コトリ「姫様、遅いですね…」


 サトリ「王子に一番美しい姿を見せたいのじゃろう」


 マトリ麻取「俺らに自分の方が美しいと言わせたいんじゃねぇか?」


 オトリ「い…いや…もしかするとなんらかの事件に巻き込まれたのでは…!!??最悪、誘拐の可能性なども…!!」


 サトリ「姫に限ってそれは心配なかろう」



 小鳥たちが談笑している中、ドアをギィィと開け、こっそりと姫が戻ってきた。


 姫「た…ただいま…」


 コトリ「ひ…姫様…!」


 いつものクール系メイクとはうって変わって、垂れ眉垂れ目、ピンクのチークにたっぷりうるうるなリップグロスの姫。心なしかいつもより弱々しげな態度にも見える。


 マトリ「だっ…誰だお前はっ!!」


 オトリ「アヤシイ奴め…逮捕するぞ!!!」


 姫「あ…アタシだよっ…王子様って、きっとこういうのが好きなんだろ??」


 コトリ「ひ…姫様にこんな可愛い一面が…!!!」


 マトリ「表面だけ見繕ったところで、一瞬でぼろが出ると思うが…」


 姫「あ!?なんだとっ!??」


 マトリ「いや…」


 姫「し…神父、あたし、王子にち…ちゅ~すればいいんだよなっ!!??」


 神父「そうだ とっとと しちまえ」


 マトリ「ひでぇ神父だなオイ」


 姫「おめーら、見るなよ?絶っ対に、見るなよ??死んでも見るなよ??」


 マトリ「しゃーねーな、見てて欲しいんだろ?」


 姫「ばっ…バカ…んな訳ねぇだろっ!!!バーカ!!」




 マトリが温かく見守る中、姫はそっと照れながら王子の頬に口づけをする。




 Chu♥



 ………………




 姫「あれ?目覚めないぞ」


 マトリ「無念。タイプじゃなかったんだろ…」


 姫「おいコラてめぇ」


 サトリ「わしら全員のKissでも目覚めなかったからのう…」


 姫「マジかぁ…。……ってサトリ!!???うええっ!!?うぉおおおおおいいいい!!!!!」


 ニトリ「1度のKissで10人分の間接Kiss♪まさに、お値段以上♪」




 姫「うぅ…うげぇ~…」orz





















 












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