終戦まで残り2日―戦争―

 太陽の国と文明の国との戦争は激しさを増していた。開戦から既に四年と二ヶ月が経っていた。どちらの軍も、武器や燃料は底をつき、まともに戦える状況ではなかった。

 そうだというのに、そんなこと誰にでも分かるはずなのに、戦争は終わらない。どちらも譲らない。本当に戦えなくなるまで戦うつもりなのだろう。神が止めるまで命を捧げるつもりなんだろう。


 今になって薄々感じていることがある。神など本当はいないのではないのかと。すべて戦争をするための口実で、人々を戦わせるための虚言だったのではないかと思う。昨日の神の声も、きっと僕の妄想だろう。

 僕らは争う必要がない。争いは人の性質。でも、永生さんが死ぬ必要なんてないんだ。


 鳴り止まない空爆の音。戦意を失い、天幕の中で座り込む兵士たち。食料も水も、もうない。

 衛生状況は最悪だ。塵は散らかり、用を足す場所もないので辺り一面地獄のようになっている。

 それでも諦めまいと、神の意志なのだと戦いに向かう兵士もいる。そしてそういう者は、大体帰ってこない。

 僕にもやらなくてはいけないことがある。僕は、今度こそ永生さんに問わねばならない。本当に裏切ったのか。何故、殺せと命令したのだと。

 天幕の外はこの世とは思えない光景だった。こんなのもはや戦争ではない。敵を打ち倒すというより、自滅しているだけだ。地面に並べられている戦死者の遺体を跨ぎながら僕は思う。戦争なんてない方がいいのだと。

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