終戦まで残り6日―命令―
僕は、重い体を引き摺り永生さんの天幕まで辿り着いた。あの時、永生さんは僕を弟のようだと言った。頼りにしていると。僕はそれが嬉しかったし、力になろうと思った。だから今回も何か僕にできることがあるなら、遠慮なく言ってほしいものだ。
それにしても話というのはなんだろうか。これからの話だろうか。今後の戦闘についてとか。まさか、叱責ということはないと信じたいが。
でも、今まで僕だけが呼ばれることなんてなかった。だから、何の用なのか見当もつかない。
永生さんの天幕に着くと同時に、腕時計が零時になったことを知らせるため、煩く鳴った。僕はそれを慌てて止めて、天幕の前で名を名乗った。
「入っていいよ」という永生さんの声が聞こえたので、天幕を捲り中に入る。
中では寝袋の上に座り、手招きしている永生さんがいた。折り畳み式机の上で地図を広げ、何やら軍事的な作業をしていたようだが、作戦会議のあとだろうか。
永生さんは、自分の右隣を叩いて座れと僕に命じた。僕は命令通りに彼女の横に腰を下ろす。心臓が耳元まで煩く鳴り響く。顔が熱くなっていくのが分かる。僕は緊張していた。好きな人の横に座っているのだ。緊張しないわけがない。
「そ、それで…話とは一体…?」
僕は期待し暴れる心臓を押さえつけて冷静に訊いた。永生さんは深刻な表情をして俯く。まさか本当に叱責なのかと僕は冷や汗を掻くが、どうも様子がおかしい。手が震えている。
「永生大尉…?大丈夫ですか」
僕が声を掛けると、永生さんは覚悟を決めたように深呼吸を一度し、僕に向き合った。
「
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