閑話:その頃の勇者たち①
side:勇者(プロローグ〜一話まで)
今日は、夏休みの登校日。さっき終礼が終わったばっかりの教室で俺は帰り支度をしながら、通っている道場の跡取りである
「なあなあ
そんな、春馬の問いかけに俺と藤二は顔を見合わせて、
「そうさな、素振り百回三セット、走り込み……とかいいんじゃないか?光」
にやりと笑いながらそう答えた藤二に俺は苦笑しながら
「いいんじゃないか?春馬だけだけど。俺達は普通の練習しとこうぜ」
すると、春馬が慌てて
「そりゃないぜ、光〜」
絶望したような表情で春馬がすがりついてきた。そんな、春馬の様子に俺と藤二額相していると、急に足元見たことのない図形が広がり光りだした。
◆◇◆◇
光が収まると俺達は見知らぬ場所に立っていた。見た目は、歴史の授業のビデオで見た中世ヨーロッパの城の中といった具合で、正面には偉そな着飾った王様らしき人や部屋の壁際には騎士甲冑を着た人物が整列していた。
「な、何だここは」
俺が、現状の把握に努めようとしていると状況に意識が追いついたらしい春馬がそんなことを呟いた。
「俺にもよくわからん」
藤二が困惑したような返事を返した。
その時、俺達の意識が状況に追いつくのを待っていたかのように、玉座に座ってる男が話しかけてきた。
「おお、よく来てくださりました。歓迎しますぞ、勇者の皆様方まずはご挨拶を朕はこの国ビアード王国国王、エドワード・アンジェロ・ビルクライム・ビアード3世である。急にこちらに来られてさぞ混乱なさっているでしょう。今からこちらの宰相に皆様の現状を説明させますのでまずは落ち着いてお聞きくだされ」
すると、玉座の横にいた男が、
「みなs」
口を開きかけたとき、俺達のクラスの担任の水瀬先生が
「おい!ふざけんなよ!あたしと生徒たちをさっさと元いた場所に戻しやがれ!」
と怒鳴って、話を遮った。
先生……気持ちはわかるけどまずは話を聞かないとどうすることもできなでしょ。
俺がますますヒートアップする先生を止めようと動き出そうとしたとき、クラス委員長の一ノ瀬さんが、
「せ、先生まずは話を聞いてみましょうよ」
先生を諭してくれた。ありがとう一ノ瀬委員長。
俺が、感謝の念を抱いていると、少しは落ち着いたのか先生は
「ちっ、わーったよ。ほら宰相サン?さっさと話してもらおうかあたしたちの現状とやらをさ」
◆◇◆◇
「ゴホンっ、ではまずは自己紹介からさせていただきます。私はこの国の宰相を務めさせていただいている、ロベリウス・フルトロス・ギルシェパードと申します。」
気を取り直したようにロベリウス宰相が言った。
「私達の国はいま、この大陸の西にある大陸”魔界”の魔王国から侵略を受けております。我が国の兵士たちも一丸となり、侵攻に抗っていますが状況は芳しく無く、このままでは国が滅亡してしまう。そう思いながらも、彼の国に抗うすべがないかと国中を探し回っていました。その折に、この国の旧王都にとある文献が残されていました」
まさかその文献って……
「その文献こそが皆様をこの世界に召喚する秘術が記されたものだったのです。ですからどうかお願いです。根の国をお救いください勇者方」
宰相の話に納得がいかなかったのか、クラスの不良グループや先生が、
「ふざけんな!さっさと元の世界に返しやがれ!」
と騒ぎ出した。その様子に、宰相が少し慌てた様子で
「皆さんをお帰しすることはできます。しかし、それは直ぐにできるものではないのです。皆さんをお帰しするには、魔王の宝と魔王軍に奪われた地域にある送還のための魔法陣を使わねばなりません。そのため、皆さんには魔王軍を打倒していただかねばなりません」
「おい、宰相とやらその魔王軍ってのを倒せば、あたしと生徒たちは帰れるんだな?」
嘘は許さないとでも言うかのような威圧感を放ちながら先生は宰相を睨みつけた。
先生の様子に冷や汗を流しながら宰相は頷いた。
「あ、あの魔王軍と戦えって言うからには私達にも戦えるだけの力があるんですか?」
確かに、そこは気になるな。帰るためには魔王軍と戦う必要があるみたいだし、それに困ってる人は助けてやりたいしな。
「はい、もちろんです。皆さんには、こちらの世界の人族の平均のざっと数十倍から数百倍の力があるはずです。今からご確認の方法をお伝えします。騎士団長皆さんを練兵場の方へお連れしなさい」
「はっ!!!」
うおっ!?すごい大声だな空間が震えたみたいな大きさだったぞ。
それにしてもあの人すごいな、全く勝てる気がしない。なんて考えるのは俺が剣道をしているからかな。
あとがき
勇者視点のお話でした。次話からはまた本編を更新していきます。勇者視点は、ちょくちょく閑話として挟んでいこうと思います。
次話の更新は今夜二十二時の予定です。
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