【3児ママ戦記】①子育てのため息

かのん

成功とは違う、本当の幸せ:賞味期限切れのココアと次女の笑顔が教えてくれたこと

4歳になる次女が、夜にもうみんなベッドにいて、今まさに寝ようとしている瞬間に「ホットココアが飲みたい」と言い出した。その時の私は長男にマッサージをし終えて、彼が寝落ちしたのを確認して、もうママ終了! 閉店ガラガラ! していたから、えー。めんどくさ……と思った。


次女に「ホットミルクじゃダメ?」と聞いても「どうしてもホットココアがいい」と譲らない。どうやら夕食後に観ていた、某犬たちが活躍するアニメに出ていたのを思い出したらしい。


軽く『パ〇パトロール』を嫌いになりながら、眠たい目をこすって、キッチンに行った。引き出しの奥にあるココアの粉を引っ張り出して、冷蔵庫から牛乳を取り出して、マグカップに入れて、電子レンジに入れる。次女はスツールを洗面所から引っ張ってきて、ぐるぐるまわるカップを眺めていた。


電子レンジから取り出して、もうリビングまで行くのが面倒だったから、そのままキッチンにいる次女に渡した。次女は出てきたできたばかりのホットココアを「熱くて飲めないよ」と言う。これも、ちっ。めんどくせーな(二回目)と思いながら、別のカップに移し替えた。


次女はそれをゆっくりと飲んで、「おいしいねぇ。ママのつくるホットココアって、とってもおいしいんだね」と呟き、満面の笑みをうかべた。


なんだかそのきれいな笑顔を見て、泣けてきた。自分が作った森〇のココアで、こんなに喜んでくれる存在がいるのか。内心では笑っていない大人が浮かべる微笑みがあふれる、この世界で。これって幸せなことなんだろうな、と。


たぶん神様は、私に才能とか、運とか縁とかは、あんまりくれなかった。よく成功した人が「運と縁のおかげとか成功しました」とか理由に「必要なのはセンスと人脈です」とか言うけど、私にはまるで何もない。


その証拠に全く成功してないのである!!(そんなことでいばるな!!!)なんだか書いていて虚しくなったから 「!」 を多用してしまった。そしたらもっとイタい奴みたいになった……。


話を戻そう。愛おしそうに一口ずつゆっくりとココア飲む次女を見て、吉本ばななのエッセイの「もし神様がいるとしたら、美しい物が好きなはず」という一節を思い出した。


それは、おいしそうになるココアを飲む4歳の女の子とか、その邪気のない笑みとか、そういうものなんだと思う。これらに遭遇する機会だけは、神様は私に与えてくれた。


もしかしたらこれから先に、私の人生で、書いたものがたくさんの人に読んでもらえることがあるかもしれない。ちょっとしたお金を得ることがあることもあるかもしれない。それでも死ぬ前にに思い浮かべるのは、こういう瞬間なんだろう。


全く誰かに自慢できないし、SNS に投稿すらするまでもない。瞬きする間に消えてもらうような、こういうひとときを。


そして〇永のココアの賞味期限を見たら、なんと3週間前に切れていた……。本当に時間って、あっという間に過ぎる(賞味期限にうるさい夫にばれたら発狂されそう)!

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