10本の羽を集めなさい

葵竜 梢

序:かわいい子には旅をさせよ

むかしむかし、あるところに

平和へいわさかえるくにがありました。


そのくに王様おうさまは、とてもやさしく、かしこひとでした。


しかし王様おうさまとしをとって、もうすっかりおじいさんです。

病気びょうきになってからは、ベッドのうえで、一日いちにちのほとんどをごしていました。


あるあさ王様おうさまおもって、三人さんにんむすめたちを枕元まくらもとび、こういました。


「かわいいむすめたちよ。わたしももう、さきながくない。いまのうちに、このくに継承者けいしょうしゃめておきたいのじゃ」


三人さんにんむすめたちは、とても真剣しんけんかおで、父親ちちおやはなしをいています。


「おまえたちには、これよりたびてもらう。明日あすあさまでに、十本じっぽんはねあつめてるのじゃ。その成果せいかによって、継承者けいしょうしゃえらぶこととする」


「「「はい、おとうさま」」」

王様おうさまめいけて、むすめたちは素直すなおに、たび準備じゅんびはじめました。

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