第7話 頑張って、練習


「こ、こんにちは。今日は、パーティーに来ていただいてありがとうございましゅ」

「ダメえ。緑ちゃん。」


俺の名前は森内海もりうちかい。親に捨てられた貧乏な中学二年生の年代の男子。緑いわく、モテる。

緑というのは俺の妹。森内緑もりうちみどり

俺と同じ親に捨てられたモテモテ女子。小五の年代。


今、十周年パーティーの代役に選ばれて、練習をしている。

俺は今休憩中で、緑が練習している。

緑は遊園地の厨房でバイトをしている、空さんのことが好きらしい。

多分空さんも緑のことが好きだと思う。俺的にみると相思相愛だ。


「さ、もう一回、いこうか!」

「ひゃ、ひゃい~。」

「頑張ってください!緑ちゃん。」

「ふぁ、ふぁい!!」


緑が頑張って練習してるけど、空さんが前にいるからめっちゃ緊張してる。

当たり前か。


「おーい。かいちゃ~ん!一緒にいくよ~~!!!」

「ハッ、はい!」


俺に声をかけたのは空さんの姉、中学3年生で、遊園地のレストランでバイトをしている森椿さん。俺はモテるらしいから、魅力的な女性がまあまあ集まる。

だから、好きな人が決まりにくいけど、椿さんは結構好きだ。でも、受付担当の果林さんも好き―――。

こういうことを二股かけてるっていうんだろうな。俺、ダメなやつなのかも。


「おーい。かいちゃーん。」

「あっ。すぐ行きます!」


俺はダッと椿さんのところへかけよる。


「んじゃ、一緒にいこうか~。」

「えっ。合わせるんですか!」

「うん。」

「ひゃあっ。」


緊張するうううう。大丈夫だ。落ち着け~


ピーンポーン


「あっ。俺ちょっと行ってきます。」


一体何の用だろうか。そして、誰だろうか。


「はい。森内ですが。」

「かいちゃん!!!」

「えっ。果林さん!」

「も~、いつまでもさん付けだね。かいちゃんはっ。」

「かっ、かっ、果林ちゃ,,,,,,,,,」

「ん!ん!」

「果林ちゃn,,,,」

「ん~~~!」

「かっ、果林ちゃん!」

「ご~かく。」

「ふへ」


て、こんな会話してる場合じゃない。


「何の御用でしょうか!」

「あ、もしかして椿来てない。」

「椿さんって?」

「もりさんのこと。」

「あっ来てますよ。」


椿さんに会うために来たのか。


「中にどうぞ。」

「ありがと~かいちゃんっ。」


果林さんが家の中へ入る。


「椿」


「かっ。果林!」


「休みとってきたよ。今日は練習しない予定じゃなかった??」


果林さんが恨めしそうに椿さんを見る。


「そっ、そうだっけ」


「そうよっ!かいちゃんと一緒に……ずるいっ」


そゆこと……


「そうですよぉ?椿さん!!」


誰ぇ!?

話に入ってきたのはヤンキーっぽい男の人。


___待てよ。コイツ、あのヤンキーじゃねえか!?


あの、スマホカバーをわった奴。まあ、あのおかげで助かったんだけど,,,,,,


「椿さんはこれなんだからダメなんです。椿さんはいっつも自己中で。だから~~」

くどくどとヤンキーが述べる。俺はもう腹が立った。

「おい、てめえ。」

「あん?何だよっ!!――あっ。」


多分気づいたんだろう。俺があの時の奴だって。


「てめえ。あん時の……。よ、よく逃げられたな。」


動揺してるらしい。


「ふん。俺をなめんなよ。」

「ちっ。せっかく頑張ったのになあ。」


!頑張ったってどういうことだ。


「おい、どういうことだよ。」

「うっ。しまった。」

「おい」


俺はなるべく低い声で怖く聞こえるように言ってみた。


「__俺は緑の友達なんだよ。そん時、なるべくアイツを逃がさないようにしておいてくれって言われて,,,,,,」


俺はギンと緑を睨む。緑はちょっとあせった後にすぐに俺に向かって頭を下げた。


「おいみどりん?」

「ご、ごめん海にぃ,,,,,,」

「_何で仲良くなってんだおめえら。」

「「俺たち・私たち、兄妹だから!!!」」

「__はっ!?何で気づかないんだよ!?」

「いや、ね、うん。」

「アハ、いやいや、うん。」

「どこまでも似た者同士だな,,,,」


ヤンキーはため息をつくと、俺らに背を向けてスタスタと去って行った。


「んでっ、私も混ぜて練習するからねっ!」

「ふん。」

「ハハッ、すみません。果林さん。」


俺は緑と同じところに立つと、台本をもう一度確認する。そして、スウと息を吸うと、口を開く。


「「今日は、三周年パーティーに来ていただいてありがとうございます!!」」

★                  ★                 ★

「「ふうううう」」

俺たちは床にドスンと座る。疲れた~~~。

飲み物休憩などもあるから、まだ簡単だ。でも疲れる。


「やっぱカッコいいいい!!かいちゃん!」


果林さんがなんか言ったみたいだけど俺はごくごくとお茶を飲んでいたから聞こえなかった。俺がお茶を飲み干すと、果林さんが近づいてくる。


「果林さん?どうしましたか?」

「果林ちゃんっ!」

「かっ、かっ、果林ちゃん。」

「私~~。実はっ。かいちゃんのことが好きなんだっ!――付き合ってくれない?」


えっ、えっ、え~~~!!!

俺のことが好き!?付き合って!?付き合うって言われても!


「果林!ねえかいちゃん、私もかいちゃんのこと好き。付き合って!」


椿さんまで!

二人から同時に告られたっていうことだよね。これ。

どうすればいいの!?俺ェーーーーーー!?

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