第9話 死霊将ヴァルゼルグ VS 勇者! 俺のスキルは通じるのか!?

「フフ……さて、"勇者"よ」


死霊将ヴァルゼルグが薄く笑いながら、ゆっくりと剣を構える。

黒い魔力が剣の刃を包み込み、まるで 生きた闇 のようにうねっていた。


「さっきまでのように、俺の兵を薙ぎ払ってみせろ?」


「……チッ、面倒くせぇ相手が来たな」


俺は剣を握り直し、戦闘態勢を取る。


(今の俺なら……いけるはずだ!)


スキル**《戦神の覚醒(ウォー・ゴッド・アウェイク)》**が発動している今なら、どんな敵が来ても――


ヒュンッ!


(――速いッ!!)


次の瞬間、ヴァルゼルグの姿が消えた。


(え……どこに……!?)


「――遅い」


俺の背後から、冷たい声がした。


「ッ……!!」


とっさに剣を振り向きざまに振るうが、ヴァルゼルグは軽く後退して回避する。


「フン……"直感戦闘"とは面白いスキルだが、それだけで俺に勝てると思うなよ」


ヴァルゼルグはニヤリと笑うと、その剣を一閃した。


ゴォォォォッ!!!


漆黒の斬撃が空を裂き、俺に向かって飛んでくる!!


「くそっ!!」


俺はとっさに横へ跳び、ギリギリで回避した――が、


ズガァァァァン!!!


俺の後ろにあった城壁が 吹き飛んだ。


(やべぇ……こんな威力の攻撃、まともに食らったら即死じゃねぇか!!)


「どうした? さっきまでの勢いはどこへ行った?」


ヴァルゼルグが悠然と立ち、再び漆黒の剣を振り上げる。


「フッ、ならばもう少し楽しませてやろう」


ゴゴゴゴゴ……!!


すると、周囲の 倒れた魔王軍の兵士たち が再び起き上がり始めた。


「やっぱり、こいつ……死者を操れるのか!」


「フフ……"死霊魔術(ネクロマンシー)" の前では、貴様の剣は無意味だ」


(……マズい。倒しても無限に復活されるってことか!?)


俺は咄嗟に、隣にいた セリア に視線を向ける。


「セリア! こいつの死霊魔術、なんとかならねぇのか!?」


セリアはじっとヴァルゼルグを見つめ、静かに言った。


「勇者様、あの魔術は "特定の核" から魔力を供給されています」


「核?」


「ええ。"死霊魔術" はただの死体操りではありません。どこかに"魔力の供給源"があるはず……それを壊せば、死霊兵たちは機能しなくなるでしょう」


(なるほど……!)


「でも、それがどこにあるかわかんねぇだろ?」


「私が探します」


セリアはそう言うと、両手をかざし、魔力を込め始めた。


「解析魔法 《アナライズ》 発動」


彼女の目が光り、周囲の魔力の流れを探り始める。


「……ありました」


「はやっ!?」


セリアは俺の前に指をさした。


「死霊魔術の"核"は、ヴァルゼルグ自身の体内 にあります」


「……は?」


「彼自身が"魔力の供給源"となっているため、倒さない限り死霊は無限に蘇ります」


「つまり……」


「彼を直接倒すしかありません」


「……まじかよ」


俺は剣を強く握りしめ、ヴァルゼルグを睨んだ。


「おい、聞こえてたか? お前の能力、バレバレらしいぞ」


「……ほう」


ヴァルゼルグはニヤリと笑うと、一気に剣を振り下ろしてきた!!


「喰らえ、勇者!!!」


ゴォォォォォ!!!


巨大な黒い斬撃が俺を襲う――!!


(くそっ、受けるしかねぇ!!)


俺は剣を構え、全力で迎え撃った――!!

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