異世界一人旅、妹を探して・・・

つとむ君

第1話 俺は転移したの?


 俺は今立ち尽くしていた。


 「此処は何処だ」見た事も無い草原の端ら片に居る様だ。


 そして其処には道の様な形の草が無い所が左右に伸びていた。


 「これは道か・・・」轍の様な所が有るし道かも知れないが、幅が3m位で俺の知っている道とはかけ離れていた。


 其処に突っ立っていても仕方が無いので、取り敢えず道の様な所を伝いながら進んで行くと、前方に馬車の様な物が立ち往生していた、その周りには4人か5人の人が見えるので近づくと、「お前は何者だ。名を名乗れ」と言われたのでヤストと言う者だと名乗ると、近くに居た男がこんなちょろこそうな奴に力なんてないだろうと言って来た。


 話を聞いて居ると5人の冒険者の護衛と一人の商人の6人が居たが、轍に嵌り込み抜け出せないでいた様で、あと一人か二人いれば出れそうな雰囲気だと言っていた。


 冒険者チ-ムのリ-ダ-らしき人が「ヤストのステ-タスは如何なっている」と聞いて来たが、俺が「ステ-タス?」と聞き返すと、先ほどの名を名乗れと言って来た男が、「聞いても大した事は無いでしょう」と言って居たが、俺の目の前に薄い板の様な物が浮かんでいた。


 さっき「ステ-タス?」と呟いた事で現れた様だが、見て見ると


 ・・・・ (人族) 21才 男  レベル1


 HP 11

 MP 11


 敏捷 6

 力  8

 魅力 6

 運  8

 

 スキル  ・・・・  ・・・・  ・・・・  ・・・・


 エキストラ  ・・・・  ・・・・


 一人の男が覗き込みながら「なんだこれは、文字化けばかりじゃ無いか」と言いながら、「矢張り頼りに成りそうにないが試しにやって見るか」と言って手伝う様に促された。


 俺はこの世界の事は何もわから無いがラノベの知識は有った。ここは彼らに力を貸し町まで案内してもらうのが得策と考えて手伝う事にした。


 俺が入り馬車を押すと、何とか馬車が動き轍を抜けて進み出した。

商人は40才位の男性で、青い髪色で背が高く185cmは在りそうだった。

 「助かった。やっと抜けれた」と言いながら君のお陰だと人懐こい笑顔で笑い、「君は何処に行くのだい」と聞いて来たので、此処は記憶が無い様な感じで答えて見た。


 「俺は何処から来たのかも覚えて無くて、何処に行けばいいのかも分からない、兎に角町に行きたいのだが連れて行って貰っても良いですか」と言うと、「まあ君のお陰で抜け出せたのかもしれないので、次の町までなら良いよと言いながら俺はダギルスと言う商人だ、」と了承して呉れた。


 これで俺も町までは辿り着けそうに成りダギルスに聞いた、「この国は何という国ですか?」と聞くと「其れも知らないのと言いながら、ここはサバルカ王国のマルトと言う町の近くだ、直ぐ其処には王都のサバルと言う名の巨大な街が有る。そして今はマルトに向かっている。」と教えて呉れた。


 俺はこの親切そうな商人に出来るだけ情報を引き出そうと考えた。


 「ダギルスさん教えて貰って良いですか、この国のお金の単位とかはどうなっています?」と質問すると、「お金の単位はダロンと言うが、鉄貨が1ダロンで10枚で10ダロンで1銅貨で10枚で大銅貨1枚で10枚で1銀貨で10枚で大銀貨1枚と10で金貨1枚10枚で白金貨1枚と言う感じだが、誰もダロンとは言わずに単に鉄貨、銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、白金貨と呼ぶそうだが、この大陸は全て共通の通貨に成る」と教えて呉れた。


 1日は24時間で、1か月が30日、1年が12カ月、360日に成って居た。ほぼ俺の前世と良く似ていた事に安心感が生まれたし、1年は4つの季節に分かれて居る事も同じで、色々と聞きながら馬車に揺られて居ると門が見えて来た。


 見えて来たのは海辺の町マルトで人口が2万人程の町で、入場するのには各ギルドのタグや証明書が必要だと聞かされたが、無い者は銀貨1枚の通行料が必要だと聞かされた。


 慌ててポケットを探ると、確かに財布を持って居た筈が無く、皮の巾着が入って居たのが手に付いた、俺はその辺りの事は余り覚えて居ない事が分かり、うろ覚えだが此方に来る時に誰かに出逢った事が有った様な無かった様な気がする。皮の巾着には銀貨が20枚と銅貨が20枚が入っていたが、これで何日生活出来るのか判らない。


 そこら辺の事を聞くと「宿に泊まるのには銅貨5枚が相場で、銀貨20枚と銅貨20枚では1か月程は暮らせるだろう」と言った、「冒険者ギルドに登録して仕事をすればFランクでも1日分ぐらいは稼ぐ事は可能なので」と登録を進められたし、ギルド章は身分証にも成るので便利だと言った。


 「冒険者ギルドでEランクDランクと上がれば稼ぎも多く成り、生活も安定するので頑張る様に」と言われ「何かあれば店に来てくれたら力に成る」とも行ってもらった。


 門の所では矢張り銀貨1枚の入場料を必要として、貴重な銀貨が1枚減り早急に冒険者ギルドに登録し、生活の安定を図らないと活けないと考えた。


 ダギルスさんに冒険者ギルドの場所を聞き、登録に向かうと聞いて居た看板が目に入った。


 剣と盾の絵の看板の下を抜けると、入って直ぐの所にカウンターが有り、二人の女性が受付をして居た。その向こうには幾つかのテ-ブルと数人の男が酒を飲んで居たが今は昼過ぎだ、俺は誰も並んで居ないカウンタ-に行き登録したいと告げると、紙に名前と得意技を書き、出身地を書くように言われたが代筆が必要か聞かれたが、必要ないと答え名前と出身地を書いた。


 名前はヤストで出身地はワカヤマ村と書き提出すると、受付嬢が「ワカヤマ村は国内に在りますか?」と聞いて来た、俺は咄嗟に「隣の国だ」と言うと、「そうですか、わかりました。」と引き下がった。


 「それでは、冒険者ギルドの概要の説明は必要ですか?」と聞いて来たので、俺は「教えて呉れますか?」と言うと、「ハイ、仕事ですので」と返事が返って来た。

 

 俺は、今は何でも知識として聞いて置きたいと言う思いも有り、受付嬢の説明を聞いた。それによると、ギルドと言う所は仕事を斡旋しその仕事の質によって賃金が変わる仕組みの様で、掲示板にはF~Sランクの依頼が張り出され、其の難易度や手間によりギルドが判断したランクに振り分けられて張り出す様で、其の張り出された紙を受付で処理すると、依頼を引き受けた事に成り其の制約が発生する。


 例えば何らかの討伐の依頼を受けると、何時迄に処理し、達成すると依頼主のサインを貰いギルドに持ち帰り、依頼料を受け取る事が出来ると言う具合に成って居た。


 当然依頼の失敗と言う事も起こる。その場合は違約金が発生し受けた個人又はチームの-点に成り、ランクアップに影響すると言う事が起きるそうだ。


 後は薬草採取の様な常設依頼と言う物もあり、それには失敗と言う物は無いが、薬草や毒消し草の採取で10本一束で銅貨5枚と安く設定されていてランクに関係なく買取をして貰える。


 ギルド2階には書庫が有り、其処には詳しく書いた本やその他の本も有るそうで、ギルド章を見せると無料で読めるので利用を勧められた。


 



 


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