寮
「そもそも光や闇は使い手が異様に少なくて一部では半ば幻とまで言われているのに、それを両方使えるのかい?で、それに加えて基本属性も?基本属性は何が?」
「全部ですけど」
「全部ぅ!?」
リアクションが大袈裟すぎる。やはりあれか、生徒に自信をつけさせるためか。演技指導入ってますよこれ。しかし、ここで演技だとか言っちゃうやつは一流の三流という他ない。この場は乗ってあげるのが最適解だ。
ところで、オレ大根だからどうしたらいい?
「わかった。あとで校長に相談してみるよ。それまで大人しくして待っててくれ。あと、人が話してる時に魔法を使わないこと」
先生は、人が話している時に魔法を使うのは脅しと取られると教えてくれた。よく考えたら確かに、魔法って簡単に人を殺せる威力があるしな。反省。
てか今更だけど幻ってなんだよ!ライは普通に使ってるし、そんなレアでもないだろ。闘皇際にそんないなかったのも、多分使い勝手はいいけどあまり知識がないからだろう。この世界では光の反射も知らない人が結構いる。だから、もともと形のない光やもっとよくわからん闇はあまり強くないのだと思う。魔法とは言ってしまえば“理解”だからな。
「そのため、我々は従来の──」
あー、長い。なんでそんな喋る内容思いつくんだろ。短くまとめたりして欲しいよ。
今はなんで学ぶのか、とかを説明してるところ、のはず。今までの魔法とは一線を画した新たな魔法形態がどうたらこうたら。要するに本に書いてあった【治癒魔法】とかに重点を置いているということか?
「──しかし、基本を蔑ろにしてはならない。基本を学ばず応用にばかりかまけていると、いつか足元を掬われる。よって──」
お、今いいこと言った。そうだよな、基本は大事にしないと。例えば前後半に分かれている本を後編から読むと何もわからないように、最初が大切なのだ。この間魔法文字の本を、入門編途中で飛ばして次に行ったら真面目に訳わかんなかったんだよな。だから大事。
あー、考えたら今の時間に魔法文字少しずつ進めれば良かった。時間が勿体無い。いや、どうせ呼び出されて怒られるだろうけど。
「えー、まだ途中ですが時間が迫ってきたのでここで切り上げとします」
流石に話しすぎだろ。生徒の8割はリタイアしてる。
「では、寮の案内をします。クラス分けはまた後日」
◇◇◇◇
「おー」
案内された寮は、結構豪華だった。何畳とかわからんけど、ベッドは大きいし装飾も豪華だしシャワールームも完備。食堂は少し離れた場所にあり、オレは今女子寮に来ている。癖で男子の方に行きそうになったが今は女子。事故が起こらないようにせねばな。
「へー、すっごーい。今日からここに住むんだね!」
明るくそういうのはルームメイトのリーン。キラキラと輝く金髪を一本結びにしていて、愛らしい顔立ちとサファイアのような瞳をこちらに向けてくる。
くっ、笑顔が眩しい。サングラスはどこだ。目が潰れてしまう。
「二段ベッド、どっちが上いく?」
笑顔の絶えない子だ。
「どっちでもいいよ」
「じゃあじゃあ、私が上ね!」
子供あるある、二段ベッドの上選びがち。
「わー、すっごいふかふかー!」
こら、飛び跳ねるんじゃない!埃が舞うだろ、まったく。
手元に風魔法で空気を集め、埃だけを取り除いてからベッドに乗った。埃は水を含ませて塊にして捨てておいた。
「おぉ・・・・・・」
確かにこれはすごい。包み込まれるようだ。あー、やば、これ人をダメにするやつだ。こっから動きたくねー。
え、なんでベッドに乗ったかって?そりゃ、あれだよ。あの、えっと、うん、なんでだろ。
決死の覚悟でベッドの誘惑を振り切り、ようやく立ち上がった。荷物整理とかしないとだし。
ベッドは部屋の角に置いてあって、扉を開けると正面右に見える。左はどうなっているのかというと、何段かになっている小物置き。壁には窓。入って右側の方には部屋があり、机が二つ置いてある。反対側は浴室と洗面所だ。
さて、勉強部屋(仮)まで共通となるとさすがにプライバシーがない。剣をどこに置けばいいんだ。アイテムボックスはよ。
インベリトリはポケットやポーチなどのいまある収納スペースをひとまとめに管理するというものだったしな。便利だった。けど、何故かもう使えない。強すぎたからナーフされたんだな。
ベッドの土台?の部分が引き出しのようになっていたので荷物をぶち込んでおいた。ネオは奥の方に入れておこうかと思ったが、護身用に枕元に置いておくことにした。危ないかもだが、もしもの時のためだ。
「あ、もうこんな時間!食堂行こ!」
疲れないのかな、そのテンションで。そんな急がなくても飯は逃げないのに。
「私たちの分取られちゃうよ!」
なぬ、そういうシステムなのか!?それをはやく言ってくれ!全力ダッシュじゃー!
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