『デジタル版 〜平安時代の恋〜』 (略名:平恋)

ただとも

第一章〜始まり〜

第1話

 私、小松美空こまつみくはミュージシャン鳥飼 海とりかいうみとの信じられないほどプラトニックな恋愛によって180度、人生が変わった。

この本を手に取ってくれた

あなたにだけは信じてほしい物語です。



 私たちの出会いは、ちょうどコロナ禍のライブだった。出会いと言っても人気ロックバンドの

ボーカルと、ごく普通の観客である。私が海の生み出す音楽のとりこになったのは6年前、20歳の頃だった。海の描く歌詞は明るい印象のものはほとんどなく、どちらかというと暗かった。時には、当時恋愛していたであろう内容の歌詞も多かった。

 私は偽りなく、素直に心の暗い部分を表現してくれる海の曲が一瞬で大好きになった。毎日の移動時間では、かかさず海の曲を聴くほどだった。3年間は楽曲をダウンロードして聴く日々。しかし、社会人二年目の時、ふとライブに行ってみたいと思った。


 そこから始まったラブストーリーである。


 初めて彼のライブに行った頃の私の生活は、

自分の指標だが最悪だった。

 不景気の影響で、志望していた職種、企業にはことごとく内定がもらえなかった。就職活動の最後には、ただ正社員になる事だけが目標になっていた。


もう、どこでもいいから内定をくれ...


すでに何の為に今まで勉強してきたのか、、全く分からなくなっていた。

「何回面接しただろうか...。もうこの会社で内定がもらえなかったら、正社員は諦めよう」

私は覚悟して面接に臨んだ。

今でも最終面接の空間の感じは覚えている。面接官は男女それぞれ1名ずつ。とても優しくて、思い出すと今でも涙が出てくる。


ある意味、よい諦めがついてリラックスできたのだろうか。何とか最後に内定がもらえた。


 しかし就職したはいいが、やはり希望とは

かけ離れていたせいか、新入社員の頃から仕事にも張り合いが持てず、学生の頃に抱いていた社会への憧れも一切なくなって、ただ毎日言われた事をこなす日々だった。

 「ただ生きていく為だけに時間が過ぎていく」といった感じだ。


 しかし、仕事仲間には恵まれた。

なんと最終面接をしてくれた2人とも、同じ場所で働くことが出来たのだ。同僚にも恵まれた。

そこだけは感謝している。


 ちょうど就職活動中の、二十歳の頃からだろうか。

私は家庭にも居場所が無くなっていった。末っ子の私は両親には可愛いがられていた。


 私には姉が一人いる。性格は明るいが自己中だ。高校生の頃までは、しょっちゅう喧嘩はしたものの姉の事が大好きだったし、頼りにもしていた。

 しかし、ある時期を境に姉妹の関係は段々悪くなっていった。


 それは姉が「うつ病」を患ってからだ。

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