混乱
数時間前 渋谷
休日に用事で渋谷に来ていた海斗は、大型ビジョンに映るニュースを見て驚愕した。
(ティターン条約機構が宇宙連合と地球に宣戦布告…!?)
海斗はそのニュースを心の中で読み上げた。まるで夢の中かと思うような内容のニュースに海斗だけでなく、周りの人々も驚いたような表情を浮かべていた。すると、街にサイレンの音が響いた。
「こちらは、日本国政府です。ティターン条約機構との宇宙戦争が開戦しました。この地域が、攻撃される可能性があります。街の皆さんは、地下街や地下鉄、地下シェルターに避難してください。」
ゆっくりとした音声がサイレンから流れ、それを聞いた人々は急いで近くの地下鉄や地下街へ避難した。海斗も人の波に飲まれるように、地下街へ避難した。海斗が地下街に着くと、そこには大量の人が集まっており、避難するときに転んで怪我をした人が横になっていた。海斗はどうすることもできないため、床に座った。すると、急に地下街が揺れだし、不穏な音を出した。
「なんだ…!?地震か…!?」
「いや、違う…これは爆撃の衝撃波だ!」
誰かが叫んた瞬間、粉塵が天井から降り注ぎ、人々はパニックに陥った。
その頃 ティターン条約機構
薄暗い部屋にノクティスとヴェイロンがいた。
「なあ。」
「なんだ?」
「お前って昔に地球人の子供を拉致してたよな。」
「それがどうかしたのか?」
「そういえばお前ってその拉致した子供とよく遊んでたけど、しばらくしたらその子供を地球に返したよな。」
「そうだが…」
「その子供今頃戦争で大変な目に遭ってると思うが、本当に戦争して良かったのか?」
「…黙れ。」
「そうかよ。」
すると、薄暗い部屋に部下が入ってきた。
「ノクティス様。ティターン条約機構の第二旗艦隊が、地球防衛軍の爆弾により破壊されました。」
部下は早口でそう言った。
「何だと!?ふざけるな!もっと部隊を地球に送れ!」
ノクティスは大声でそう言った。
「はっ!」
部下はそう言い、どこかへ行った。
「…俺が言うのもあれだが、やっぱり戦争やめないか?」
「はぁ?何言ってるんだ。今さら戦争をやめることなんてできない。俺は言っただろう。地球を徹底的に潰すと。それに、お前だって戦争に乗り気だったじゃないか。」
「それはそうだが、もしお前が昔拉致した子供がここに来て、戦争をやめてくれと言ったらお前はどうするんだ?」
「そろそろ黙れ!黙らないなら出てけ!」
「はいはい、分かったよ。」
ヴェイロンはノクティスにそう言われると、部屋を出ていった。しかし、その会話を聞いているのは2人だけではなかった。
宇宙連合本部
「事務総長!ティターン条約機構本部に仕掛けてある盗聴器からこのような会話が聞こえました。」
「なんだ?」
「これです。」
隊員は事務総長に先ほどの会話を聞かせた。
「そのノクティスが拉致した子供を利用して戦争をやめさせることができそうだな。その拉致された子供が誰か分かるか?」
「おそらく、小浜海斗という地球人ではないでしょうか。」
「小浜海斗?」
「はい。地球時間で25年前に、小浜海斗という地球人がティターン条約機構に2ヶ月ほど拉致されています。」
「その地球人はどこにいる?」
「現在、日本の渋谷にある地下街にいます。」
「よし、その地球人をティターン条約機構の本部に連れて行って停戦させるぞ。」
「分かりました。」
しばらかすると、宇宙連合本部から宇宙船が地球に向けて出発した。
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