第7話 "虚無の演者"と"契約" 其の三
私がぼーとしていると「咲妃、目から雫が落ちてるよ。」とリリアナが倒れている私のところに来て頬に落ちた涙を拭う。
そして優しく「怖かった?」と私は震える声で「うん、あと助けに来るならもっと早く来て。」
「ごめん、ごめん。あっ咲妃の体少しいじって回復させといたよ。これで動けるはず。」リリアナに頬を触られて少し体がマシになった気がする。
「いじったって何よ。なんかリリアナが言うと嫌なんだけど。」
「もう、咲妃は酷いね。これが終わったらもっといじったあげる。」私の至近距離で言う。
「近い。」
そんな会話をしているとシャドウと名乗る「"虚無の演者"」は断末魔をあげながら「おい、貴様ら私が居るのにイチャツクな! ノワールよ、私が逃げる時間を稼げ! そして確実に殺せ!!!。」笑みを浮かべながら指を鳴らすと狼のような「"怨念"」が更に大きくなり二階建ての家ぐらいの大きさに爪は工事現場にあるぐらいの重機のような大きさに驚く。
「ねぇ、リリアナ。これ倒せる?」
「う~ん、どうだろ。でも折角の"戦闘"楽しも!」
楽しげな声で言うリリアナ「う、うん。」と。
「じゃあね、お嬢さん達。このかりは絶対返すからな。」と漆黒を纏いシャドウは消えていった。
私とリリアナと巨大な狼のような姿をしている「"怨念"」が月明かりのない住宅地で立っていた。
「ねぇ、リリアナ。貴女って何を武器にして闘うの?」
「うーん、今回は咲妃に合わせて刀を使うよ。咲妃の技にあわせて僕も斬り込みに行く。」また指を鳴らす。するとリリアナの腰に刀が掛かっていた。
「なんでも使えるのね。まあ話しはあとで聞く。」と言いながら向かってくる「"怨念"」の攻撃を取り敢えず避け地面に着地するとドォーンと激しい音がした。私は事の重要性を忘れていた。大型の「"怨念"」が家に突っ込めばどうなるか…
半壊状態の家を見てリリアナが「こりゃまた盛大に。災厄後で僕が直すから闘いに集中するよ!」と動揺しながら私は「う、うん。でも何処からしかける?私の技は決め手が後半の技しかないけど?」
「そうだね。取り敢えず三分咲きまで使ってくれる? 五分咲きから僕も咲妃の技で斬り込むから。」
「分かった。」
「一分咲き·初桜」と脚を斬るように一瞬で斬る。
でも斬った感触がおかしいことに気付き「リリアナ、こいつには多分、物理は通らないかも」心で言う。
すると「了解。なら物は試し。」リリアナは左腰から刀を抜き、「"風花"」刀から雪のような小さな光を飛ばす。光がやつに当たったその刹那、体の表面が抉れ始め体制を崩した。
「やっぱりか。咲妃、こいつの弱点は光だよ。」とワンピースを着ているとは思えないほど軽やかな動きで私のいる横にジャンプして着地した。
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